拾伍 ページ19
ぽたり、水が垂れるような音がする。
それは口から出る大量の涎で、今すぐにでも目の前の女を口にしたい欲に駆られる。
15〜6といったとこか、若い女の肉は甘く柔らかくて美味しいからと目を三日月状に笑った。
「そんなに涎を垂らして、品がないですね」
「?!?!」
後ろから声をかけられた鬼は驚き、大振りに腕を振ったが彼女は軽々と避ける。
彼女が近づく気配など一切なかった、鬼になったことで研ぎ澄まされた五感は近づく者を察知出来ないはずがない。驚くことに彼女は物音も殺気も完全に消し去っていたのだ。
「おやおや、危ないじゃないですか。」
「っ、お前鬼狩りか!!!」
攻撃が当たらなかった事にイラつきながら獣のように唸る。いや、獣のような、ではない。涎を垂らし姿勢を低くしている様は獣そのものだ。
「ええ、貴方を殺しに来た者ですよ。
何故女性ばかりを狙うのです?年齢もバラバラのようですし」
首を傾げて問う彼女は殺気の欠片もなく強いとは到底思えない。しかし、隙が無く今1歩踏み出したとしても攻撃が当たることはないだろう。
鬼はおかしなことを聞いたかのように大声で笑った。
「何故かって?!そんなもの女の泣き崩れる顔が好きだからだよ!
どんな女も決まって俺に『なんでもするから命だけは』って言うんだ
それが堪らなく快感なんだよ....!!!!」
今まで喰ってきた女性達を思い出し快楽に浸っているのか鬼は蕩けきった顔で語る。止まることのない涎は品の欠片も見えない。
「....そう。貴方は慈悲をあげる価値もないようですね。」
「はあ?」
「残念です。非常に」
瞬きするような僅かな時間で彼女は先程までいた位置から鬼の背後に回る。反応しきれなかった鬼は避けたが腕を持っていかれてしまった。
その腕も直ぐに再生してしまうが。
+・+・+・+
《大正コソコソ噂話》
Aは殺気を察知するのが異常に優れていますが、同じくらい気配を殺すのが得意なんだとか
227人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Lotus(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです^^* ご期待に応えられるように精進してまいりますのでよろしくお願いします! (2019年11月17日 20時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品ですね!!応援しています!!更新頑張ってください!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
Lotus(プロフ) - すンずさん» わあー!ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです(*´`*) これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
すンず - とても面白いです!!更新頑張って下さい!応援しています! (2019年11月8日 20時) (レス) id: 6823c0d55a (このIDを非表示/違反報告)
Lotus(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます....!!!!急に消えたのに探していただいて有難いです!!!期待に応えられるよう精進してまいりますのでよろしくお願いします! (2019年10月27日 22時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Lotus | 作成日時:2019年10月23日 20時