【utit】自 作 自 演 の キ ス 魔 、 ま ふ ま ふ【mfmf】

キス魔 ５ ページ6

『ちょっと、まふ』

「･･････」

まふは私の言葉が聞こえないかのように早足で進んでいく。
私はついていくのがやっとだった。

『どこに行くの、ねぇ、まふ』

「黙って」

いつもよりも低い声。
怒ってるんだ。
･･･いや、なんで？
私なにかしたかな？
なんもしてなくない？
そんなことを思っていたら、目の前にはまふの家があった。

「入って」

『え？う、うん』

家の中に入ると、綺麗な玄関が目に映る。

『すごいなぁ･･･』

「なにボーッとしてんの」

『え、あ、ごめ･･･ん！？』

急にって･･･！
酸素足りないっ･･･
生理的な涙が頬に伝う。
いつもならここら辺でやめてくれるのに、怒っているのかやめてくれない。
こんな態度、たしか二回目だっけ？
そんなことより･･･
本当に酸素、ヤバイ･･･
まふの肩を押すと、やっと離れてくれた。
私は酸素を取り込もうと口を開けた。
その瞬間にまたキスをされる。
それも今度は何かが口の中に入ってきた。
初めての経験に固まる。

『ま･･･ふぅ･･･ん、や･･･』

私のそんな声を聞くと、まふはやっと離れてくれた。

「･･･すごい声出てたけど、大丈夫？」

『ま･･･ふの･･･せい･･･でしょ･･･っ！』

息の乱れがないまふに、手慣れている感がいなめない。
なんで･･･

『なんでこんなことするの･･･？』

「･･･分かんないの？」

『分からないから聞いてるの』

「じゃあ話さない。自分で考えたら？」

そう言い残してまふは二階へと行ってしまった。
･･･なに、私が悪いの？

『バカまふ･･･』

ボソッと呟くと、なぜか再び流れてきた涙を拭った。

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