検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:101,687 hit

その後番外編:青の彼 ページ32

少しだけ距離をとって座る私とまふに、彼方は呆れたようにため息をついた。
まふは少しだけ目元が赤くなっていて、それが少しだけ気になる。
・・・一応一部始終は知っているけれども。

「・・・ケンカでもしたの?」

「違いますよ!!」

食い気味にそう言うまふに、驚いたのか目を見開く彼方。
でもすぐに気だるげな表情に戻り、また下を向いたまふではなく、今度は私のことを見た。

『それが・・・なんかまふが勝手に泣き出して』

「勝手にってなに!?酷くない!?」

実際勝手だろう。
まふが作業をしていたため携帯をいじっていれば、いつの間にか隣にいて泣いていたのだから。
解明できない謎だね、うん。

「・・・なに勝手に泣いてんだよ」

「泣いてな・・・泣きましたけど!」

否定しようとしたが、彼方相手だと、流石にバレると思ったのか認めたまふ。
少しやけくそ気味なのは何故だろうか。
元はと言えばここに来たのもまふが急に泣いたからだろうに・・・
そんなことは言えないし、言いたくもないが。

『で?なんで泣いたの?』

私の問いに、まふは分かりやすく動揺した。
目を逸らしたり、忙しなく手を動かしたりとしていた。
まふは赤く染まった顔のまま私の事を見ると、恥ずかしそうに眉を下げる。

「・・・Aが、構ってくれないから・・・」

『まふ・・・』

不貞腐れたように頬をふくらませるまふに愛しくなってしまう。
今すぐにでも抱きつきたいと思っていると、一つの視線が私達のことを刺した。

「・・・俺なに見せられてんの?」

その困惑したような一言で、やっと現実へと戻ってきたような気がした。
彼方を横目で見た後、隣にいるまふのことを睨んだ。

『彼方いるのに何言ってんの!?』

「満更でもなかったくせに?」

『そ、そんなわけ・・・ないじゃん』

図星だったのを悟らせないように顔を背ければ、控えめな笑い声が隣から聞こえてきた。
見てみると、案の定まふが笑っていて、それにイラついたため頬をつねる。

「俺初めてだよ。友達と相方に対してこんなに切実に帰って欲しいって思うの」

その時の彼方の目に光はなかった。
ごめん彼方。

その後番外編:茶の彼 天月→←その後番外編:キス禁止令



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (224 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
394人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , まふまふ , キス魔   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - ちょこさん» そう言ってもらえたならよかったです!その後のお話ですね!分かりました!頑張って書かせていただきます!! (2020年12月7日 16時) (レス) id: 1e60141193 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2020年11月26日 21時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 四つ葉@まふらーさん» ありがとうございます!ここまでお付き合いいただき嬉しいです!自分の恋よりも親友の恋っていうのを上手く書きたかった…読んでいただきありがとうございました! (2020年7月19日 0時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
四つ葉@まふらー - 完結おめでとうございます!面白かったですし、天月さんが気持ちを隠してまふまふさんを応援するところでうわああああああ泣 素敵な作品本当にありがとうございます! (2020年7月11日 12時) (レス) id: 4ad016d14c (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 雪乃さん» ありがとうございます!ここまでお付きあいいただき嬉しいです!読んでいただきありがとうございました! (2020年7月11日 4時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/  
作成日時:2019年7月31日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。