Story 134 ページ29
心臓がドクドクと波打つ
胸に手をあてなくたってすぐに分かるぐらい
｢俺のこと好き？｣
その言葉がこだまして身震いをした
そういう人もいるのだと、知らなかったわけではないけど身近にいない存在
別に偏見なんかない
ただその好意が自分に向けられたものなんじゃないかと思うと、どうしたらいいか分からない
『…っ』
あからさまな反応をしてしまったのではないか
男の人を好きなら僕に抱きついたりしてくるのはそういうことなのかも
今までのことを振り返ると、彼は…うん
接触が多い
普段は気にしないけど
もしもそうなら傷つけてしまったかもしれない
少し心配になって作業室のドアからひょっこり顔を出して伺う
彼の姿はどこにもない
もう違う場所に行ってしまったのだろう
それなら、もういいや
考えていても仕方がないし
作業室のドアにカギを閉めて
どサリと雑に座った椅子はギシリと音を立てた
『…こい』
…今回のアルバムのイメージは未だ決められず
何となくで作曲してきた
けど、いま決まった
絵本から選ぶ僕の曲は、童話がほとんどだけど恋愛ものは抜きだった
別に謝れなかったからとかそんなんじゃない
ただ興味が湧いた
シンデレラ
美女と野獣
人魚姫
男が歌うにしては可愛すぎるテーマかも知れない
でもこれがいい
テーマが決まってPDと創作チームにメールを送って、携帯の電源はオフに
耳を全部覆ってしまう大きなヘッドホンで耳を塞いで僕の世界にのめり込む
恋愛なんてしたことない
好きな人もできたことすらない
男が好きなのか女が好きなのかすら分からない
なんの経験もない僕が、ラブソングなんかかけるだろうか
それに似合う振り付けを付けられるだろうか
何もわからない
…
何か掴めるかもしれないと見始めたドラマは
思っていたよりもリアルで急激に動く展開に目まぐるしくなる
女の人が男の人が好きで、その男の人は違う女の人が好きで、そしたらまた違う男の人が女の人を好きで…
恋愛はどうやら難しいらしい
本の中の世界がどれほど綺麗で純白で清純なのか
みんなもっと読むべきだ
ドラマは見るのをやめて
妄想の世界にのめり込む
こんな女の人とだったら僕は恋をするのだろうか
でもどうしても分からないから
僕はラブレターを書いてみることにした。
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弟丸。(プロフ) - 更新再開とても嬉しいですまた最初から一気読みしてきましたかなたさんのペースで更新していただけると幸いです主人公くんと他グルメンバーとの絡みが大好きです (2020年11月28日 22時) (
レス) id: 6fd7fc297b (このIDを非表示/違反報告)
あす - とても素敵な作品です。MJさんとまた絡むかな？なんて期待もしながら読んでました。夢主さんが考えてることは、とても深くて興味深いです。自分に置き換えて読むと言うより、夢主さんをアイドルとして見ていて、気がついたら普通に推してます。ゆっくり長々すみません。 (2019年6月10日 23時) (レス) id: d45d13a6de (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - この作品が大大大好きです！！更新楽しみにしています(*^^*) (2019年5月12日 12時) (レス) id: 55af053cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かなた | 作成日時：2018年12月27日 23時
