アイドル失格

story 14 ページ15

写真を撮っては自分の番を待つ。

その繰り返しにそろそろ飽きてきた。




BH「A〜」

『…』

BH「はぁーおかえりー」


近くのパイプ椅子に腰掛けようとすると、どこからとも無く現れるベッキョンさんに

顔が死ぬ



ほらほらと、手を引かれて座ったのは彼の膝上


お腹に回された手が妙に優しく、少し安心するとは口が裂けても言えない




BH「なんでそんなにお肌ツルツルなの」

『たくさん寝てるからじゃないですかね』

BH「睡眠大事だよね〜」



口を開けば質問ばかりのベッキョンさん

答えないようにしていたけど、ずっとねぇねぇねぇねぇと迫られるから渋々答える


適当だからと、怒られないからこの人は多分優しい



CE「あ、A〜これどうぞ」


自分の番を待っているであろうチェンさんは、僕にケータリングのお菓子をさっきから持ってきてくれている

何故だろう



『ありがとうございます』

CE「へへへ、これさっき食べたらすごく美味しくて」



嬉しいものは共有しないとね。とニコリとほほ笑みかける彼は

善人すぎる気がして、変な人に騙されそうだなと思う




CE「相変わらず膝のうえになんだね」

BH「やーAが可愛いからね」



喜んでいいのかわからないから聞かなかったことにする


XM「ベッキョン、次お前」

BH「はーい」



よっこいしょと言って、立ち上がったベッキョンさん

頭をポンポンと2回撫で、丁寧に僕をパイプ椅子に座らせる


きっと彼には僕はぬいぐるみか何かにみえているのかな



BH「イッテキマース」

CE「行ってらっしゃい」


お腹にさっきまであった温もりが、一気に消えて少し不安になる

彼の体温があったから寒くはなかったのだけれど、今は冷房の効きすぎたこの部屋で僕は凍えそうになっている


ケータリングに足を運んでココアを入れて戻れば、僕のパイプ椅子にシウミンそんが座ってて一瞬キョドる



まぁ、いいか



適当に椅子の近くまで行き座った


シウミンさんが小さく声をこぼしたけど、気にしない

取敢ず寒いから、人肌が近くにあればそれでいい



そう思って座った先はシウミンさんの膝のうえ






優しい大きな手でお腹に回る腕

それに少し安心する


隣でチェンさんが「うんうん」とニコニコして頷いている

良かったね〜なんて言ってるから、心の中ではいと返しておく



遠慮気味な彼の手が

優しい証拠だと思いながら


ココアをすすった

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