探偵社の自称最強異能力者さん【文豪ストレイドッグス】

うつくしき人は寂として石像の如く＿＿弐 江戸川乱歩side ページ13

江戸川「はぁ……また面倒事か。飽き飽きするよ、本当に」


今から1時間前……探偵社の新入社員、中島敦がまた面倒事を持ち出した。


誘拐だ。


敦とA、与謝野先生が昨日、電車内でポートマフィアからの襲撃にあったと聞いたが、馬鹿なことにその襲ってきたポートマフィアまで探偵社に運んできたのだ。


それまではまぁ良しとしよう。国木田も聴取をしなければならないとか何とか言っていたし。


何故その後そのポートマフィアと二人でデートに行く流れになる？


意味が分からない。それで誘拐されたとなれば尚更だ。


国木田「小僧の行き先は掴めているのか？」


それなのにどうして今こいつらはその敦とポートマフィアの捜索に時間を割いているんだ？


谷崎「あぁ、はい！目撃情報によると、白昼の路上で襲われトラックに押し込まれ、その後の行方は……」


国木田「まずいな……連中は独自の密輸ルートを無数に持っている。人一人を誰の目にも触れず運ぶことぐらい、造作もない」


「なんとか助けないと、このままじゃ……」


はぁ、本当に僕が助言しないとこんなことも分からないのか。


江戸川「助ける？なんで？彼が拐われたのは、人虎とか懸賞金とか、つまり個人的な問題でしょ？うちは彼の養護施設では無いし、彼も守ってもらうためにうちに入ったわけじゃない」


谷崎「でも、敦くんは探偵社の一員で……」


国木田「いや、乱歩さんの言う通りだ。俺たちが動くのは筋が違う」


ようやく分かったか。本当に馬鹿な奴らだ。


江戸川「警察に通報すべきでは？」


国木田「小僧は災害指定猛獣です。事態が露見すれば、探偵社も傍付を食います」


ならこの話は終わりだ、もう放置しておく他無いだろう＿＿＿


ナオミ「＿＿＿あのー、皆さんの大好きな筋とかべきとかで議論していたら、百年経っても何も決まらなそうなので、この方をお呼びしました」


谷崎の妹……いつの間に……


そこには社長が腕を組んで立っていたのだ。

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