【鬼滅の刃】鬼殺隊が大嫌いな舞姫 (ページ36)

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おめでとうページ36

A

いつも通りになってしまった、蝶屋敷の廊下を歩く。

何かあったはずなのに何も思い出せなくて、悶々として考える。

何かの日、だったような気がする。

思い出せねぇ……。

「あ、」

歩いていくと縁側で、横たわっているしのぶを見つけた。

「え」

え、え、え？

心配になって近づくと、横たわってすやすやと息をしていた。

「あ、寝てんのか。」

びびったし、焦った。

とりあえず安心して顔を見る。

睫毛は長く、柔らかい表情。

夢で姉と会っているのか幸せそうな顔。

でも珍しいな。しのぶがこういうところで寝てんの。

寒くないのか、そう思って体の方を見ると、無防備に出された手元になんか色々置いてあった。

「どんぐり？」

と思われるものが多数。なんか光ってるような？

あとは花かんむり、簪、刀の手入れ道具？とか色々。

なんだ、と思ってみていると、声をかけられた。

カナヲ「あの、」

「お、栗花落？どした」

カナヲ「きょ、今日、師範の誕生日なんです」

なるほどそれで。

カナヲ「Aさんからも、その、何か贈り物を……」

そういうことか。あぁ、思い出した、そうだった。

「分かった、」

そう言うと、栗花落はほっとしたようににっこりと笑った。

そういう所は年相応だな。

…………

街から戻ってきた時、しのぶはまだ寝ていた。

あぶねー、急いだかいがあったわ。

買ってきた花束を、寝てるところに置いてやる。

「……しのぶ、誕生日おめでとうな」

きっとまた生きて会えるように。

…………
しのぶ

なんだかふわふわとしたところにいた気がする。

目がうまく開かない。それでもゆっくりと開ければ、

しのぶ「あれ……？」

昼間のようによかった空が、柿色のように変わっていた。

いけない、寝ていたか。

体を起こすと、かさという音を立てた。

手元に視線をやると、たくさんの物が。

しのぶ「これは…？」

花束と、どん…ぐり？それに紫色の蝶をあしらった可愛らしい簪。

花冠と、刀の手入れする道具まで置いてあった。

そういえば、夢の中で姉さんになにか言われた気がする。なんだったっけ、

思い出せないまま、花束の所に文が置いてあったので読む。

しのぶ「お誕生日おめでとう、しのぶ？
寝顔可愛かった……、あぁ、Aさん？」

寝顔を見られてしまった。

となると、花束を送ったのはAさんか。