興味 ページ19
「…よ。」
『……。』
昼休み、朝から例のいじめに耐え、やっと1人になれると鞄を持って校舎裏に行くとあろうことか先客がいた。
しかもよく見れば昨日会った男子で。
足元にはあの警戒心のない黒猫もいる。
「昨日の奴…だよな。ここで昼飯か？」
『…すみません、お邪魔してしまったみたいで』
「いや、別に─」
『失礼しました』
別の場所を探そう。そう思い、踵を返そうとすると足元に温かい感触が擦り寄る。
『っ…！？』
「ﾅｰｳ」
慌てて見ると、靴の上に足を乗せて黒猫がこちらを見上げている。
後ずさると離れた分また近付いてきて、逃れようと距離を取ってもてくてく着いてくる。
『っ〜！』
何で付いて来るんだ。
「…く、ははは…っ！」
『ッ…！』
猫から逃げる姿が滑稽なのか、男子はお腹を押さえて笑い出す。思わずクラスの奴らを連想して、反射的に睨み付けた。
「は、はは…。悪い、随分懐かれてるなと思って…お前すごいな」
話し方や相手を見る目、私の知ってる反応と違うと驚きつつ、身体から力が抜ける。
『……この猫、警戒心ないんですか。野良猫としてどうかしてます』
「いや？…俺でも懐かれるのにだいぶかかった。入学した時からだけど、半年近く触らせて貰えなかったくらい」
男の子が手を出し舌を鳴らして呼ぶと、黒猫は耳を反応させてそちらに歩いて行く。私は何故か安堵の息をこぼした。
「猫、嫌いなのか」
『…そういうわけじゃ…』
単に動物ですら懐かれるという感覚に慣れてなくて、どうすればいいか分からないとは言えなかった。
口ごもっていると、その人は別に追求する事もせず、別にいいよ。と腰掛けていた階段から立ち上がる。
「とりあえず昼飯食べたら？時間無くなるぞ」
『ぇ…、あ…』
最後に猫を一撫でして、その人は私が来た道へ戻って行く。
残されたのは私と、黒猫が1匹。
時間だから戻ったのか、1人でいる事に気を利かせてくれたのかは分からない。
ただあんな風に人と話したのは、久しぶりだった。
『…。』
「ﾆｬｰｳ」
『…君も君の飼い主も、変な奴だね』
あの人が座っていた場所に座り、遅くなった弁当を開く。
今日も妹の好きな具材で好きな味付け。気にしないようにして食べ始める。
不思議と鼻の奥は痛くならなかった。
そういえば…名前、聞いてないや。
少ししか話してないのに、不意にそう思った。
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とよ(プロフ) - 初コメ失礼します。尊い、、尊き、、なにこの幸せおしどり夫婦もう一緒抱きつき合って幸せになっていやがれ！！と心の周波数が乱れ、思わず叫んでしまいました。無理せず更新はいつでも気長に待ってます！この作品大好きです！あと相澤先生もす((((( (2023年3月2日 21時) (
レス) @page49 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - りゅうさん» りゅうさんお久しぶりです！この展開は前々から考えていたシナリオでした。読者の方々が望んでいた物語ではなかったかもしれませんが、もう少しだけ2人の話に付き合って頂けると幸いです。作品を読んでくださりありがとうございます！(*^^*) (2020年3月26日 20時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - _Mikado_さん» _Mikado_さんコメントありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さってありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします！ (2020年3月26日 19時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
りゅう - こんばんは！最新話拝見致しました(涙)まさかと思いながら小説を読んでいて自分自身も悲しい思いでいっぱいです… (2020年3月26日 19時) (レス) id: 18e42f338b (このIDを非表示/違反報告)
_Mikado_(プロフ) - 続きたのしみです！更新頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリ | 作成日時：2020年3月4日 1時
