ずるい ページ13
「ﾆｬｰｳ」
『猫さん…。どうしよう』
風呂上がりの水気を含んだ頭のままソファで猫さんと対面する。
あの後、たまにはと沸かしていた風呂のアラームが鳴って、理由を付けて浴室へ逃げた。そこまではよかった。
お風呂上がりに入れ替わりで消太が通り過ぎた時に、見てしまったのだ。
敵がする笑顔を浮かべていたのを。
『あんなの恐怖しかないじゃん！絶対良くないこと考えてるよあの抹消ヒーローッ！』
経験者は語る。
『あんなのヒーローじゃない…敵だよ…。ヤバい、誰かヒーロー呼ばなきゃ』
相「誰が敵だ」
『うぎゃっ』
後ろからｽﾊﾟｰﾝと頭にタオルが勢いよく降ってきた。
かなり痛い。
捕縛武器より凶器。
『うぅ…(仮)とはいえ、妻にする行為かね…』
相「(仮)とはいえ、夫を侮辱するのはどうなのかね」
口噤んでいると、目の前に立ちはだかる影。
あ、ヤバい…。冷や汗を感じながら固まっていると、伸ばされた手はタオルを掴んで優しい手つきで髪を拭いてくれる。
相「お前は、何度言えば直るんだ。ちゃんと頭は拭きなさい。風邪引いても面倒見ないからな」
『うぉー…』
消太は私のお母さんかな？なんて出かかった言葉を心の中に留めておく。
相「こんなもんか」
ある程度拭くと水気も取れて、くせっ毛でうねる髪。
少し俯くと横髪が垂れて、それを消太が掬って耳にかけてくれる。
髪をかける際、指が耳の輪郭をなぞる様に触れて背筋にﾋﾞﾘｯと電流が走った。
『、…ん…』
思わず裾をｷﾞｭｯと握りしめて、身を捩る。
『…消太』
相「なんだ？」
『わざとでしょ…』
相「さて、何のことかな」
とぼけた様で表情はニヤついている。
さっき見た敵顔。
『悪い顔してる…』
相「久しぶりのオフに、半日も放置されたからな」
『ははは…、そんなつもりじゃなかったんだけどなぁ』
ｼﾞﾘｼﾞﾘと距離を詰められ、背もたれに当たってもう後ろに逃げ場がない。
相「さっき誘ったお前が悪い」
吐息がかかる程近く、晒された耳に濡れた感触と小さなリップ音がかかる。
『…、…ぁ…っ、ぅ…』
相「昔から弱いよな…ここ」
ただ輪郭をなぞられるだけで身体が跳ねる。
声を我慢しようと手で押さえても、簡単に引き剥がしてしまう。
相「ちゃんと聞かせろ…」
『…、ん…！』
この人はいつも狡い。
人の弱い所ばかり攻めて、
相「いい子だ…」
抵抗させる気も消してしまう…。
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とよ(プロフ) - 初コメ失礼します。尊い、、尊き、、なにこの幸せおしどり夫婦もう一緒抱きつき合って幸せになっていやがれ！！と心の周波数が乱れ、思わず叫んでしまいました。無理せず更新はいつでも気長に待ってます！この作品大好きです！あと相澤先生もす((((( (2023年3月2日 21時) (
レス) @page49 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - りゅうさん» りゅうさんお久しぶりです！この展開は前々から考えていたシナリオでした。読者の方々が望んでいた物語ではなかったかもしれませんが、もう少しだけ2人の話に付き合って頂けると幸いです。作品を読んでくださりありがとうございます！(*^^*) (2020年3月26日 20時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - _Mikado_さん» _Mikado_さんコメントありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さってありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします！ (2020年3月26日 19時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
りゅう - こんばんは！最新話拝見致しました(涙)まさかと思いながら小説を読んでいて自分自身も悲しい思いでいっぱいです… (2020年3月26日 19時) (レス) id: 18e42f338b (このIDを非表示/違反報告)
_Mikado_(プロフ) - 続きたのしみです！更新頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリ | 作成日時：2020年3月4日 1時
