【銀魂】愛を知りながら (ページ11)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:37,055 hit

美人嫌いな奴は居ない.1 ページ11

土方の部屋にはカキカキとペンを走らせる音が響いていた。
Aと2人で書類を片付けている。
一連の流れを説明した後、資料を任せている土方は気になりAの書類を覗いた。

見てみれば一字一句もおろそかにしないで慎重に書く姿。

『なんですか』
土方「うぉ!?」

気付けば目の前には綺麗に整った顔があった。
土方は驚いて勢いよく距離を取った。

土方「いや....字綺麗なんだな....」
『....習字を習っていたので人並みには書けてると思ってます。土方さんも綺麗ですよ。良い教育を受けたようですね』
土方「んな事ねぇよ」

幼き頃、腹違いの兄である為五郎に読み書きを教わった時の事を思い出す土方。
本当に懐かしい思い出だ。
そろそろ手紙を送らないとな....と思い浸かっていた。

そんな土方の横顔を見てAは微笑んだ。
それに気付いた土方は険悪そうな顔になる。

土方「なんだ....」
『いえ、そんな柔らかい表情も出来るんですね』

大切な思い出を思い出しているのだと顔を見て分かったA。
そのままAは休めていた手を動かし始めた。

土方は字を褒めた瞬間の戸惑ったような表現を見逃さなかった。
誰を思い浮かべていたのか....そう思いながらも自分も手を動かし始めた。