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五十一 ページ6

蒼社の屋敷は何も変わっていないように見えて、明らかに変わっていた。



敷地内に入っていないというのに何かが焦げたような匂いがして。



いつもは僕の姿に気付くなり、うざいぐらいの勢いで寄ってくる門番達もいない。



もしかすると手遅れだったかもしれないと思いつつ屋敷の中に足を踏み入れる。





「……て!!……だ!!…頼む!」





屋敷の中を進むにつれ聞こえてきたのは助けを乞う声。



きっとそこには襲撃した犯人もいるだろうと自然に歩く速度が上がる。





『……最初から縛りなんてなかった。蒼社の呪術師は蒼社の非術師を傷付けてはならないなんて、そんな縛りは』





やっぱり。



僕の好きな声には殺意が込められていた。





『…母を呪って殺したのはお前だろ。…現当主サマ?』





すぐに出て行って彼女を止めないのは、僕にその権利がないから。



それに彼女は今まで散々苦しめられてきた。



これくらい看過しても構わないだろうと判断してのことだった。





当主「紅葉が!!紅葉が悪いのだ!!私の気持ちを受け入れなかった紅葉が!」




『……は?』




当主「紅葉はあろうことかあの禪院の落ちこぼれ…甚爾とか言ったか。あの男に恋をした。決して結ばれる筈のない愚かな恋をな。









…勿論邪魔してやったよ。他の男と婚姻させ、お前を産ませた」







聞いていて胸糞悪かった。



他人である僕がここまで気分を害されたのだから、多少とはいえ血の繋がりのあるAはもっとだろう。



このままでは間違いなくAはこの男を殺す。



ここに来るまでに倒れていた奴らは全員重傷ではあったが死んではいなかった。





『もういい。分かった。……お前はどうあっても絶対殺す…!!!』




当主「ヒッ……!!」





バチバチと何かが弾ける音がして、僕は襖を開け放つ。



現れた僕にAは一瞬驚いていたようだったけれど、すぐに当主の男に視線を戻した。






『…お母さんは最後まで私の為を思ってくれた。好きでもない相手との間にできた私を。…甚爾もそう。なのにお前は母を呪って殺しただけに留まらず甚爾のことまで貶した』





俯いているせいでAの表情は見えなかったけど。



それでも彼女が今何を思っているのかは分かった気がした。

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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作成日時:2020年12月1日 16時

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