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七十七 ページ32

五条side




Aはあっさりと僕の罪を許してくれた。



時には苛ついたりしたこともあったけど特には気にしていなかった__と。



そんな彼女が語ってくれた蒼社と五条の本当の関係を聞いて





五条「夢物語じゃん」





と口走っていた。





『そうだね』





何が面白かったのかAは笑う。



少し前は絶対見られなかった彼女の表情に、振り回されてばかりいる。



さっき泣かれた時なんて、一瞬とはいえ思考が止まったのだから、不甲斐ない。





『少なくとも私がその祖先の生まれ変わりである可能性はないねって昔お母さんに言ったけど』




五条「けど?」





彼女の言葉の先が気になって聞き返す。





『…そんなこともないのかもしれない』




五条「それ遠回しに告白してる?」





冗談のつもりで言えば、緋色の瞳は僕の目を凝視する。





『してるって言ったら?』





彼女の発言は僕の調子を乱してばかり。



A以外が相手なら飄々と返すこともできたが、そうもいかず。





五条「本気にするよ?」





あと少しでお互いの唇が触れるというところまで顔を近付けても、Aは照れるどころか動揺すらしなかった。





五条「……帰ろうか」





何事もなかったように彼女から離れる。



Aは僕の恋人でも婚約者でもない。



そんな相手に3度目のキスをするのは流石に気が引けたし、我ながら実に情けないことだと思うが、そんな度胸もなかった。



好きだと告げなければいつものように振る舞える。



ただ好きだと告げてしまえばいつものように振る舞えない。



昔はそんな人間が理解できなかったけれど、彼らの心理が今ようやく分かった気がした。



ゆっくり歩き出した僕の後を、少し遅れてついてくる足音。



こんな日々が続けばいいのにと叶う筈も無い願いを抱いて。





『悟は何考えてるか分からない』





その言葉は僕に向けられているというよりも、独り言のように聞こえた。





五条「知りたい?」





立ち止まって振り向いた僕を見上げてAは





『いや、別にいいや』





そう答えて僕の隣を歩き出す。





『人が考えていることを表情だけで読み取れるっていうのは便利だけど、たまに知りたくないような感情も汲み取ってしまうから』





寂しそうに笑ったA。





五条「…僕はAを悲しませるようなこと考えたりはしないけどね」




『よく言うよ』





本当にね。

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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作成日時:2020年12月1日 16時

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