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二十九 ページ30

五条side




再会してから今まで俺には見せることのなかった表情や感情。



それをAは甚爾と呼んでいたあの男には簡単に見せた。



天内が殺されても怒りを感じなかったというのに、それなのに、今はどうしようもなく腹が立っている。



俺の目の前で既に死んでいる男の治療を始めようとしたAの腕を掴む。





五条「もう死んでる」




『うるさい』





1番最初にAを突き放したのは俺だ。



好意を持たれる資格がないってことも理解している。



それでもAの好意が他人に向けられるのは心底気に食わなかった。





『蒼社なんて…五条なんて大嫌い!!!』





知ってたよ。



お前が自分の家のことを嫌っているのも、俺のことを嫌っているのも。



今まであんな扱いを受けてきて嫌いにならない筈がない。





『…殺せよ。偉大な五条様に大嫌いなんて言ったんだから。蒼社の奴らもそれを望んでる。…私はあいつらの人形でしかない』





Aが俺に向けている感情は好意的なものじゃない。



それでもいつものような言葉遣いで言われるよりはマシだった。





五条「……俺も大嫌いだよ、人形なんか」




『!!』





Aを無理矢理立たせて、キスをした。



きっともう2度と触れられない。



甚爾という男を殺した時点で、Aの大切な人間を俺は奪ってしまったのだから。



だったら1度くらい良いだろうと思っての行動だった。



その場に立ち尽くしているAを置いて、盤星教の拠点の中に向かう。



Aを突き放しても自由にできなかった。



今もずっとAは縛られている。



もしあの時受け入れていたら。



ありもしない未来を考えてから、馬鹿らしいと呟いた。

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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613  
作成日時:2020年11月27日 21時

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