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二十八 ページ29

『甚爾!!!!!』





そう叫んで伸ばした手。





甚爾「自分から巻き込まれに来んなよ、アホか。…そういうとこ本当紅葉にそっくりだな、お前」




五条「茈」





手は一瞬だけ甚爾に触れたけれど、気付けば私は突き飛ばされていた。





甚爾「自尊心(それ)は捨てたろ」




『………甚、爾』




五条「最期に言い残すことはあるか?」




甚爾「……ねぇよ」





死ぬ。



甚爾が死んでしまう。



やめて。



嫌だ。



そんなの私は…





甚爾「…A、恵のことは任せる」




『っ!!!』





その場に倒れた甚爾を反転術式で治療しようとした私の動きを封じたのは五条悟だった。





五条「もう死んでる」




『うるさい』





甚爾は沢山の呪術師を殺した。



それでも。



私にたくさんのことを教えてくれたのは紛れもなく彼だった。



長いようで短かった3年間。



私は甚爾が大好きだった。



そんな彼を奪ったのは五条悟。





『蒼社なんて…五条なんて大嫌い!!!』





もういっそ殺されても構わないと思った。



綺麗な空色の目は私を映したまま。





『…殺せよ。偉大な五条様に大嫌いなんて言ったんだから。蒼社の奴らもそれを望んでる。…私はあいつらの人形でしかない』





生きてても死んでいるのと同じ。





五条「……俺も大嫌いだよ、人形なんか」




『!!』





彼の言葉と行動は矛盾していた。



座り込んでいた私を無理矢理立たせたかと思えば、私に有無を言わせず口付けをして。



動けなかった私を殺すことなく、彼は盤星教の拠点の中に向かった。





『なんで…分からないよ…』





彼があんな切ない表情をしていた理由も、



私を殺さなかった理由も、



私が彼を憎みきれない理由も。

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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613  
作成日時:2020年11月27日 21時

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