二十六 ページ27
甚爾「ほらよ。星漿体、天内理子の遺体五体フルセットだ」
甚爾の飼っている武器庫呪霊が女性の死体を吐き出す光景に顔を顰める。
園田「フム、確かに。ところで彼女は?珍しい髪と瞳の色だ」
依頼主の男は甚爾の隣にいる私を見て聞いてきた。
甚爾「別に気にしなくていい。ただの付き添いだ」
彼の性格上私のことを事細かに説明することはないと思っていたが、それにしても大雑把すぎではないだろうか。
園田「そうか。…金の受け渡しは手筈通りに。多少色もつけよう」
甚爾「流石教祖様。太っ腹だね」
孔「マジか?必要経費とはいえ、かなり協力してもらったのにか?…むしろゴネられると思ったぜ」
園田「私達は駄目元で君に暗殺を依頼した」
そこから長々と語り始めた依頼主の話を聞き流していれば、話を終えた依頼主は五条悟達が護衛していた女性の死体を抱えていなくなった。
『…もう帰っていいの?なんかここ好きじゃない』
孔「で?結局この子は?」
甚爾「俺の腐れ縁の娘」
孔「実の息子への対応とは大した違いだな」
甚爾に息子がいるのは知っているし、その息子と私がただならぬ関係になるかもしれないことも分かっている。
ただこれはまだ考える必要のないこと。
私は甚爾の息子の名前を知らないし。
甚爾「俺にも色々事情があんだよ。海よりも深い事情がな」
謎の黒スーツを着た男の人と別れて、私は甚爾の後を疑問を抱くことなく着いて行く。
『いい加減、お母さんとの関係教えてくれてもいいんじゃないの』
甚爾「…お前の父親が俺だったらどうする?」
『………は?!』
甚爾「嘘に決まってんだろ、バーカ」
またはぐらかされた。
どうすれば母と甚爾の関係を知ることができるか考えていた私は、甚爾が立ち止まったことに気付かず、彼の背に顔をぶつけてしまう。
『痛……』
何事かと彼の背後から顔を出して、目の前に立っていた人物に言葉を失った。
五条「よぉ、久しぶり」
甚爾「……マジか」
五条「大マジ。元気ピンピンだよ」
『……甚爾』
私の知っている五条悟じゃない。
甚爾「…お前は下がってろ」
言われるまでもなく、私は甚爾や五条悟から距離を取っていた。
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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年11月27日 21時