二十五 ページ26
『………五条様?』
目の前には血塗れで倒れている五条悟。
私は1週間蒼社の奴らに呼ばれて帰っていただけなのに、戻ってきたら仕えている主人が死んでいるなんて誰が想像できる?
甚爾「あ?誰かと思えばAか」
久しぶりに聞いた声に視線を向ければ恩人である甚爾がそこにいた。
『これは甚爾が?』
甚爾「ん?あぁ。…こいつらの護衛してた女を殺せって頼まれてな。それで邪魔だったんで殺した」
『…そう』
甚爾が呪術師を殺すことくらい知ってた。
優しくないことも知ってた。
それでも殺さないでほしかったと思ってしまうのは、私にとって五条悟が大事な人だったから?
仲が良かったのは昔の話で、今は嫌われているし、彼には婚約者もいるのに?
甚爾「何ボーッとしてんだよ。行くぞ」
『行くって何処に…』
甚爾「…はぁ…仕えるべき人間が死んだ。お前はもうここにいる理由ないだろ」
私は自由になれた。
本来なら喜ぶべきこと。
甚爾「A」
甚爾に手を引かれて漸く歩き始める。
『甚爾が私の面倒見る必要ないのに』
甚爾「紅葉に頼まれたからな。それにあいつは怒らせると面倒だ」
母と甚爾の関係は未だに分からないし、教えてほしいと頼んでも甚爾は色々な理由をつけて教えてはくれなかった。
『誰に依頼されたの?』
頼まれていた相手を殺した報告をする為に拠点に向かっていた道中で聞いた。
甚爾「盤星教」
『……知らん』
甚爾「だろうな。お前みたいなガキが知るわけない」
甚爾と会話をしていても、頭の片隅では五条悟のことを考えている自分に疑問を抱く。
『甚爾、死んだ人間のこと考えるのってどんな時?』
甚爾「あー?んなの知るか、俺に聞くな」
『だよね』
甚爾「なんだ?五条のガキが好きだったのか、お前」
『違う。……多分』
回答に自信が持てず、多分なんて付け足してしまう。
私が彼を好きだったのは昔の話で、現に甚爾と2人で過ごしていた頃は彼のことなんて一切思い出さなかったし、考えなかった。
甚爾「まぁガキの色恋なんざ、俺にはどうでもいいが」
『言うと思った』
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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年11月27日 21時