私を女避けにするな後輩。【呪術廻戦】

26.ハプニング ページ26

好青年曰く、五条悟がチンピラ集団に絡まれているというので仕方なく着いて行くことにしたけれど。




チンピラ集団大丈夫か…死人とか出てないかしら…それだけが心配でならない。




五条悟は性格が汚泥のようなだけで、基本的にはなんでも出来てしまう人間だから、術式なしでもかなり強い。




あんなに細いのに筋力もあるし、なんなら腹筋だって割れている…というのは花子談。いつ腹筋見たんだよという疑問はさて置き。





「此処ですね」





と言われて着いたのは細い路地裏。





『え…？何処に悟が………っ！？』





五条悟の所在地を聞く為に振り返ったというのに、私の口は開かない。というか塞がれていた。




…相手の唇によって。





「…ふ、あんた男性経験ないだろ」





開口一番に出てくる言葉がそれか。




最悪だ。見た目に騙された。





『合意なしのキス、私が通報すれば強制猥褻罪で捕まるということを分かった上でやったんですよね』




「えー？一回くらい許してくれても良くない？」




『あ"？』





一回くらい？私にとっては初めてだったのに？




確かに交際に関しては正直興味ないけど、初めてのキスの相手が名前も知らないような屑男となれば我慢ならない。





「いやー久々にこんなちょろい女見たわ」




『……よし、半殺し___』





半殺しにする為に術式を発動させようとしたが、それよりも先に屑男が消えた…というよりは凄い速度で吹っ飛ばされた。





『え』





確認するまでもなく屑男は伸びており、何が起こったのか理解出来ない私の口からは間抜けな声が出る。





「雑魚が」





殺意しか込もっていない冷たい声の持ち主が誰か私は瞬時に理解し、同時に屑男の安否が不安になってきた。





五条「…誰あれ」




『知らないのに吹っ飛ばしたの？』





冷たい声色で言葉を紡ぎ、私の方へ歩いて来た五条悟を直視出来ず、視線を逸らしたまま言葉を返す。





五条「誰か聞いてんだけど」




『知らない人…です』





待て、何故敬語になった？生意気後輩相手になんで敬語なんてものを使っているんだ？？





五条「なんで知らない男にキスされてんだよ。何？先輩って実はビッ●なわけ？だとしたら俺にキスされても別にいいよな？」




『誰がビッ●だ、殺すぞ』




五条「だったらもっと警戒心持てよ、鈍感女」




『はぁ？！大きなお世___』





私の言葉は遮られた。

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