17.鈍感 ページ17
『……』
五条「……」
場所は変わって五条悟の部屋。
ベッドに腰掛け沈黙を突き通す私と五条悟の間には気不味い空気が流れている。
結局クラスメイトの万年二級君は五条悟に対して土下座をし、もう二度とこんなことはしないと誓約書的なもの(五条悟制作)に署名させられた挙句、頬を一発殴られて泣いていた。
本当に付き合っているわけでもないのに、そこまでするかと言おうと思ったものの、五条悟が未だかつてないほどに不機嫌だったから言えなかった。
五条「おい」
『……何』
五条「何じゃねぇよ。あの時俺が来なかったらどうしてたんだよ」
『来なくても結末は変わらなかったよ。彼と付き合う気はないし、そもそも付き合えない』
五条「は?なんで」
付き合う気はないと聞いた途端、纏う雰囲気が少し柔らかくなった五条悟。
『君も言ってたでしょ。私のこと何も知らないのに付き合っても後悔させるだけだもん』
五条「何その言い方。相手が後悔しなきゃ付き合ってたのかよ」
『まぁね。だって本当の私を知って後悔しない人なんて中々いな___』
全てを言い切る前に視界がぶれ、瞬きをした私の目に映るのは五条悟と天井だった。
壁ドンの次は床ドンか…いや、床じゃないからベッドドン?言いにくいな。
五条「だったら俺と付き合えよ。お前のこと知っても後悔なんてしてない」
『あのねぇ…誰彼構わずそういうことするから五条悟=女遊びのイメージがつくんだよ。君が好きなのは四年の先輩であって、私じゃない』
“ほらさっさと離れろ”と起きあがろうとした私の腕を何故か五条悟はベッドに押し付けて。
『ちょっと』
五条「お前男の部屋に一人で行く意味ちゃんと分かってんの?幾らあのひ弱そうな男でも、やろうと思えば出来るんだよ。キスも、それ以上のことも」
あのひ弱そうな男というのは言わずもがなクラスメイトのことだろう。彼の性格上、そこまで大胆なことは出来ない気もするけど。
『何?君はこれから私に何かするの?』
五条「お前の態度次第」
『じゃあ一つ取引をしようか。君がこれから私に何かするなら、私はもう絶対君の彼女のフリなんてしないし、今後関わりもしない。ただ何もせずに今すぐ解放するなら幾らでも彼女のフリはしてあげる。先輩と付き合えるまで』
756人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹葉(プロフ) - みかさん» コメントありがとうございます!個人的には不安ばかりで、そんな嬉しいことを言ってくださる方がいるとは思ってもおりませんでした…!ただただ嬉しいです、ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるような小説が書けるよう精進します!!✌️ (2022年2月18日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - コメント失礼します。完結お疲れさまでした…!!最後の夢主ちゃんの自分の気持ちに気づく描写大好きです…!刹葉さんの書く文章凄く凄く好きで、これからも応援してます!コメント失礼しました〜!! (2022年2月18日 20時) (レス) @page43 id: 38ecdec85a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - kanameさん» コメントありがとうございます!ひぇぇ…嬉しいです…!このコメントを見て私もニヤけてます(( これからも楽しんでいただけるよう頑張ります(о´∀`о) (2022年2月5日 3時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 私「先生、ニヤけが止まりません」私「諦めなさい」私「OK」という脳内会議を毎回してますwww更新楽しみにしています! (2022年2月5日 1時) (レス) @page21 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ちゃんちゃさん» コメントありがとうございます…!更新楽しみにしてくださって本当嬉しいです!性癖に刺さったのなら良かった…期待に応えられるよう、これからも頑張ります!^ ^ (2022年2月1日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹葉 | 作成日時:2022年1月27日 15時