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五条「A」
『はい!?』
五条「傑と何してた?」
『え…』
何してたって…何もしてませんけど…強いて言うなら貴方の機嫌を直したいが為にちゃちゃっとキスする方法を教わってました。
夏油「キスを教えてたんだ」
『「は?」』
見事に五条君と声が重なる。以心伝心だね、わーい。
あと夏油君。誤解を招くような言い方やめたまえよ。嘘は言ってないけど。
五条「…ふーん。そういう仲だったんだ?」
そう言って私を見た五条君の目は冷めていると言っても過言ではなかった。
まずい。これは完全に勘違いをしてらっしゃる。
『いや、あの五条君、これは___』
五条「そりゃ僕との結婚嫌がるわけだよね。だってAが好きなのは傑なんだから」
『違___』
五条「違わないだろ。お前が好きなのは僕の顔と財産。散々言ってたじゃん。僕のことを好きだなんて思ったことは一度もない」
“そうでしょ?”と聞いてくる五条君に私はどう返事をしていいか分からず。
どうしよう。これは過去一まずい展開だ。
五条「……結婚も同居もやめてやるよ。これで満足だろ。クソ女」
そう吐き捨てて五条君はいなくなった。
『………』
夏油「A…?」
『私がクソ女なら五条君もクソ男じゃぁぁぁあん!!!ブーメランじゃボケぇぇぇぇえ!!!』
…ふぅ。
夏油「うわー…」
『うわー(棒読み)じゃないんですよ。こうなった原因アンタですからね。前髪スパゲッティ野郎』
じと目してんじゃねぇですよ。マジこの野郎ふざけんな。
『ちゃんと説明してもらいましょうか。夏油君。なんであんな言い方したのか。おかげで夢の玉の輿ライフが遠のいたんですけど。つーか、もしかしたらもう玉の輿ライフ送れないんですけど。おい』
夏油「散々悟との結婚を先延ばしにしておいてそんなことを言うのか?笑えるね」
『いや、君のその特殊すぎる前髪よりは笑えないよ。あ、ごめんなさい。もう前髪弄りしないんで背後に呪霊侍らせるのやめてもらっていいかしら』
夏油君の言い分は正しい。
今の今まで結婚に乗り気じゃなかった私がこんなこと言うのはお門違い。
『…実感が湧かないんだよ。結婚って。…あと下心しかないのに結婚してもいいのかなって』
そりゃ玉の輿ライフは夢だよ。
夢だけど私の中にある極小サイズの善心が五条君と結婚することを妨げているのである。
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chiaki0708(プロフ) - テンポよく最後まで楽しく読みきれました!!また作者さんの違う作品も見に行きます! (2022年1月9日 9時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
七不思議零番たんでち - 作者さん!!!!これは御願いなのでやらなくてもいいんですが… 後日談(仲良し一年ズも出てくる)つくってほしいです!!!! 素晴らしい作品をありがとうございました!!!! (2021年4月3日 3時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柿助 - 完結おめでとうございます!作者様が書く夏油の切なげな恋が大好きでした!お疲れ様でした! (2021年3月31日 7時) (レス) id: fedb05499d (このIDを非表示/違反報告)
るーり - 完結おめでとうございます!なんだか、とても楽しめるお話でした!!作者様、最高!!! (2021年3月22日 14時) (レス) id: 7ac2a7ec47 (このIDを非表示/違反報告)
宮夢(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!次回作も楽しみにしています! (2021年3月21日 15時) (レス) id: 84aaee8034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月24日 18時