27 ページ27
五条side
2018年___8月
Aが消息を絶ってから一ヶ月が過ぎた。
虎杖「____五条先生!!」
五条「え、あ。悠仁。ごめん。何か言ってた?」
虎杖「輪禍ってまだ見つかってねーんだよな?手掛かりとかもないの?」
悠仁だけじゃなく、恵も野薔薇も心配そうな表情を浮かべていて、僕は彼らに朗報の一つも伝えることが出来ない。
五条「何も見つかってない。…そもそもAの存在自体特殊なんだよ。呪力も感じられないから捜すのは相当難しい。向こうから連絡が来ない限りはね」
Aは写真のことについて聞いた翌日に姿を消した。
だからAがいなくなったのは僕の所為。
虎杖「そっか…俺らも連絡取ろうとしてんだけど、既読もつかねぇし、電話にも出ないんだよなぁ」
釘崎「簡単に連絡がつくならそもそも出て行ったりしないでしょ。馬鹿なの?」
虎杖「ひっでーな!釘崎!」
二人のやり取りを眺めていれば、ポケットに入っていたスマホから通知音が聞こえて、不思議に思う事もなく取り出して画面を見た。
五条「っ…!」
画面に表示されていたのは
【今日花火があるらしいんですけど、一緒に見ませんか】
というAからのメッセージで。
五条「ごめん!僕今日はもう戻らないから!」
伏黒「は!?ちょ、五条先生!?」
戸惑う生徒達を無視して教室を飛び出した。
《悟、今日花火大会あるんだって》
なんで。
なんで僕はこんな大事なことをずっと忘れてたんだよ。
《行こーよ。花火大会。二人で》
なんでお前はずっと笑ってたんだよ。
【もし一緒に花火を見てくれるなら七時半にあの場所で】
スマホの画面を見れば新しいメッセージが来ていて、あの場所なんて僕の記憶が戻らなければまず分からなかっただろう。
やっぱり僕の馬鹿げた考えは間違っていなかった。
《…嘘だろ》
《嘘じゃない。Aは死んだ》
《だってアイツ…絶対大丈夫だって…花火見るって言って…》
十年前、確かに輪禍Aは死んだ。
けど、僕の前に現れたアイツは偽物なんかじゃない。
僕の扱いが酷いのも、コオロギを見て大袈裟にビビるのも彼女が輪禍A本人だから。
《私が何者なのか知る日は一生来ないと思いますよ。知る日が来るとすればそれは私が消える日です》
Aが言っていたことを思い出して嫌な予感がした。
876人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緋雪(プロフ) - 大好き過ぎて定期的に見てます泣泣泣 (2023年3月30日 3時) (レス) @page32 id: 44bf006712 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 刹葉さんの作品大好きです!!以前のぶりっ子のお話もとっても好きでしたが、今回のお話の五条先生もとっても好きでした!! (2022年2月10日 18時) (レス) @page32 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
jyjy - ガチ泣きしました…… すっかり作者様のファンです! (2022年1月29日 19時) (レス) @page32 id: 2ce4079fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました…。感動しすぎて。作者様は本当に神ですね。どの作品も本当に面白いです!これからも頑張ってください! (2021年7月21日 3時) (レス) id: d69ff754f7 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 泣いてしまいました…! 続編が欲しいと思うのは私だけではないはず! (2021年3月21日 18時) (レス) id: 2fea210edb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月23日 13時