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No side
如月がいなくなった教室で夏油は窓の外に見える黄金色の景色を頬杖をつきながら眺めていた。
夏油にとって今日一番の出来事は紛れもなく如月に会えたことである。
五条「傑はさ、どっちなの?」
急に現れた五条に対し、夏油は驚くこともなく“どっちとは?”と聞き返す。
如月と話していた時から五条がいたのだとしても、それは夏油の予想の範疇を越えてはいなかった。
五条「僕と付き合ってみればなんて言う癖に、あれはないでしょ。あのお馬鹿さんは気付かず暢気に帰っちゃったけど」
五条はさっきまで如月が座っていた席に腰を下ろし、その長い脚を机の上に乗せる。
とても良いとは言えない行儀と、五条の独占欲丸出しな発言に夏油は苦笑した。
五条「同じように素のAを好きになった…ってつまりはそういうことだって受け取ってもいいんだよな?」
夏油「ご自由に」
笑みを崩さない夏油に五条は顔を顰める。
夏油「話は最初から聞いてたのかい?」
五条「聞いてたよ。如月が僕のことをどう思ってるのかもバッチリ」
夏油「蓬は?」
五条「……如月の声ってここまで聞こえんの?」
如月の声がここまで聞こえていなければ、蓬が如月の発言を聞いてじっとしていられる筈がないと知っていなければ、夏油の口から蓬は?なんて言葉はまず出なかっただろう。
夏油「Aの声は大きい上に高いからね。よく聞こえる」
五条「桃奈は今頃空き部屋でぐっすりだよ。傑、この後の任務変わってくんね?」
夏油「…断ったら私は悟のライバルになるわけだ」
五条「なんで?」
夏油「Aの所に行くつもりだろ」
親友とはいえ、そこまでバレるものかという意を込めて五条はただ一言“こっわ”と呟き、夏油は“悟の行動は分かりやすいんだよ”と相変わらずの笑みを浮かべたまま言う。
夏油「悟のライバルになるかどうかはさておき、私にとってAは特別なんだよ」
好きと特別では意味が違う。
そうは分かっていても、五条にとってその発言は安心出来るようなものではなかった。
夏油「一つ言えるのは、悟にもAにも幸せになってほしいんだ。私はね」
五条「そこは安心してよ。如月は僕が幸せにするから」
夏油「こういう時は悟の言葉を信用出来ない」
五条「なんでだよ」
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chiaki0708(プロフ) - 尊いです夏油くんルートあるの嬉しかったです!! (2022年1月9日 9時) (レス) @page47 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - あやめさん» ありがとうございます!いえいえ、こちらこそ説明が下手で申し訳ないです!! (2021年3月26日 8時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 刹葉さん» 理解力なくてすみません(>人<;)全然大丈夫です! (2021年3月26日 7時) (レス) id: 1f315efa1e (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - あやめさん» 私TwitterしてるのでTikTokのシェアボタンからシェアさせてほしいという意味なんですが伝わりますかね…?説明下手で申し訳ないです… (2021年3月25日 20時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 刹葉さん» こちらこそありがとうございます!私Twitter詳しくなくて、Twitterの方で私も投稿すればいいんでしょうか? (2021年3月25日 19時) (レス) id: 1f315efa1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月10日 20時