逃げたいぶりっ子VS逃したくない最強《呪術廻戦》

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私と夏油君しかいない高専の空き教室。





夏油「改めて、久しぶりだね。A」




『うん。久しぶり。八年経っても夏油君は夏油君だね』




夏油「今私の前髪を見ながら言ったろう。そんなんだから私に殺されるんだよ。今から」




『見間違いだよ！！前髪見てないもん！おでこ見てたんだもん！！』




夏油「人と話す時に額を見て話せなんて習ったのか？杜撰な教育だな」





…本当は前髪見てたけどさ。触らぬ神に祟りなしとか言うしね。髪だけに。




うん、黙っとこう。





『っていうかね、夏油君に相談があるんだけど…五条君のことで』




夏油「悪いが私には何も出来ない」




『まだ何も言ってませんけど』





見捨てるにしたって早すぎませんか。





『結婚しようって言われた』




夏油「は…？Aが？悟に？」




『うん。私が。五条君に』





目をぱちぱちと瞬かせている夏油君はまさに間抜け面である。常にしっかりしている彼のそんな表情は中々レアだと思います。





『有り得ないでしょ…？だからこれは罠だと思ってる』




夏油「罠…？」




『結婚式当日に“結婚するわけねーだろ！バーカ！！”っつって私を絶望させる罠』




夏油「…………」




『真剣な話なのに笑うなゲットゥー』




夏油「だから…っ、静かに笑ってるんじゃないか…ﾌﾌｯ」




『笑ってんじゃん』





静かに笑えばいいってことじゃないんだよ。





『確かに私は不純な理由で五条君と結婚しようと思ったよ！？思ったけど』





金持ちだし、イケメンだし、金持ちだし。





『でも！今は！全く！眼中に！ないの！！』




夏油「ふっ、ちょっと待ってくれ、A…！笑い死ぬ…！悟が…悟が不憫過ぎて…！！ははは…っ」




『不憫なのは私だって！罠に嵌められてんだよ！？どうやったら結婚しようなんて言われなくなると思う？』





結婚式当日に“結婚するわけねーだろ”カミングアウトがなくて、無事結婚したとしても、後々妻だからとかいう理由で無理難題を押し付けられるに決まっている。




例えば、“俺の妻なんだから特級呪霊を祓えて当たり前だよな”とか言って私を複数体の特級呪霊の中に放り込んだり。




あぁ、怖い。怖すぎるよ、五条君。





夏油「だったらそれこそぶりっ子の出番じゃないのか？」




『……本当じゃん』





なんで今まで気付かなかったんだ？私。




ぶりっ子を極めた私ならやれる。

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