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『……五条の…っ、馬鹿ぁ…!!』
マンションから少し離れた所で遂に涙が溢れてしまった。
別れたくなんてなかったのに必要のない意地を張って、自分から別れを告げて。
馬鹿なのは私も一緒じゃないか。
本当は追い掛けて来て欲しかったなんて我儘にも程がある。
きっともう五条とは友達にすら戻れない。
家入「A!!」
背後から聞こえた親友の声に肩が跳ねる。
涙を拭うことなく振り向けば、硝子だけでなく、何故か七海までいた。
『なんで七海まで…?』
七海「家入さんの護衛ですよ。こんな時間に一人で外出させるわけにはいかないので」
家入「とか言いつつ本当はAを心配してたんだよ、コイツ」
七海「家入さん」
家入「悪いな、言わない約束だったのに」
悪戯っ子のような笑みを浮かべた硝子に七海は溜め息をついて、“貴方達の世代はまともな人がいませんね”と零した。
『別れたよ』
二人は驚かなかった。
きっと予想はしていたんだろうな。
家入「…そうか。辛かったな」
『うん…』
硝子は背中を摩ってくれる。
『あの馬鹿…!クソ男!!性病に罹って死ね!!』
悲しいのかムカついてるのか自分自身でもよく分からないが、とにかく思ったことは口に出すことにした。
『最悪!最低!!…なのになんで今も好きなんだよ、私の馬鹿!!趣味悪すぎ!!!』
七海「……今更ですか」
『七海、腹いせに凍らしていい?』
七海「やめてください」
家入「これからどうすんの?」
五条と別れた以上、血の盟約を交わしてようが同居を続けるつもりはないし、できることなら顔も合わせたくない。
実際“二度と私の前に現れるな”なんて理不尽なことを言ったんだから。
『…家は適当に用意させる。これでも当主だし』
涙を拭って言う。
「「…あ」」
『ちょっと待って。完全に忘れてたよね、今の反応』
そんなに私は当主っぽくないのだろうか。
七海「…こんな人でも当主になれるんですね」
『七海ホントに私の心配して来た?私の心を抉りに来たの間違いじゃない?』
七海「そうかもしれません」
『なんて後輩だ……でもありがとう』
二人が気を遣ってくれているのは一目瞭然だった。
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shyaberuazarashi(プロフ) - やばい解釈一致すぎる…すっきりしたしもう色々最高でした! (12月18日 22時) (レス) @page46 id: e3d211137e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり?★*゚(プロフ) - このくそヤリチン五条許せん、、、!ヒロイン普通に可哀想 (7月24日 11時) (レス) @page31 id: 35bcc8e605 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - いや五がそもそもあありえないけど、別れたって元カノに言ってたよね?あれでよく許せたな (2021年10月25日 5時) (レス) @page46 id: c00755ba92 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん - 何だか最後までヒロイン報われなくて可哀想、、もっとこの糞ヤリチンを徹底的にボコボコにしてあげて欲しかった(笑) (2021年7月3日 8時) (レス) id: c2c5a94e17 (このIDを非表示/違反報告)
みー - この作品めちゃくちゃ面白かったです!鈴ちゃんが五条先生を殴っててくれて安心しました!(笑)あのまま許してたら私の気が収まらん!!本当に面白かったです! (2021年2月26日 20時) (レス) id: bb74a842ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年1月12日 1時