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深呼吸をしてドアをノックする。



高専に帰ってきてから色々考えてはみたが、謎の女性の言葉のことも、五条君に抱いた疑心も、どう処理すればいいか分からなかった。



私が今立っているのは五条君の部屋の前で、何故そんな所にいるかというと呼び出されたから。




(今日の夜九時に俺の部屋に来て)




正直此処に来るのは迷ったけど、五条君と話さないことにはこの胸の支えは下りない。




五条「ああ、本当に来たんだ。来ないと思ってた」




『だったら最初から呼び出さないでもらえる?』




五条「取り敢えず入って」




案内されるまま部屋に入れば、背後から小気味のいい音がして、部屋の鍵を閉められたことに気付く。




五条「唐突で悪いんだけど」




これ以上彼の言葉を聞けば後戻りは出来ない。そんな気がした。




『………何?』




五条「A、俺と付き合ってよ」




『……悪いけど、私気になっている人がいるから』




本当はいないけど。




五条「そうやってまた離れて行くんだ?」




『…また?』




疑心、そして違和感は大きくなっていくばかりで、私の中ではある一つの結論が出ていた。




五条「そいつのどこがいいの?俺より優しい?かっこいい?それとも…」




『…貴方は…誰ですか』




この部屋に来て、目の前にいる彼と話して確信した。この人は五条君ではない。



ならば私の知っている五条君は何処にいるのかという話になるが、今の状況はそのことについて考える事を許容してはくれないだろう。




五条「誰って、冗談きっつ。どっからどう見ても五条悟君だけど?」



『五条君はそんな優しい話し方しないし、私に付き合ってなんて言うわけない』




私から告白することはあっても、彼から私に告白するなんてことはない気がする。そもそも五条君が私を好きになるなんて有り得ない。




『それに五条君は私のことをAって呼びません』




五条「………そ。…相変わらず鋭いね」




先程から聞く“また”とか“相変わらず”とかいう言葉が気にならないわけではないけど、先に明確にしておかなければいけない事象がある。




『質問に答えてください。貴方は誰ですか』




五条「何言ってんの。質問にはちゃんと答えたでしょ?」




と彼は優しい笑みを浮かべたまま私に近付いて来たので反射的に距離を取るが、背後にはベッドがあり、これ以上は逃げられない。




『答えてなんか…!』






五条「僕は正真正銘五条悟だよ」

八→←六



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:恋愛
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613  
作成日時:2022年1月17日 20時

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