�� - 002 罪は存在しない。罪人が存在するだけだ ページ46
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「Aがいない間俺たちずっと頑張ってたよ！ Aも頑張ったよね、疲れたよね、いっぱい休んでね」
「まずは疲れを癒すことだ。身体が鈍ると無理に刀を振るったりしたら俺が怒るからな」
「無理は毒だからね！」
「毒を自ら取り込むものではない」
「そうそう、だからおにぎりは俺たちが作るからっ」
「ゆっくり眠ってくれ」
二人の笑顔を最後に戸が閉められた。
Aは数秒目を点にしていたが、部屋の隅に丁寧に畳まれ丁重に積まれた布団を見つめる。早起きのAよりも更に早く起きて、朝の支度も済ませておにぎり作りに出て行った義勇に錆兎は不在の七日間で随分と逞しくなったようだ。
成長期は凄いなと感心する。胸がほかほかと暖かくなった。
けれども、習慣をやらないというのもどこか落ち着かない。Aの下半身はまだ布団の中である。
けれども、ゆっくり休んでくれと言われた。ここで外に出て鱗滝の手伝いをしたり、ましてや素振りなんて始めたら二人を怒らせることになるだろう。
「もう少し寝かせて貰うとするか」
ふんわり微笑んだAは幸せそうに目を閉じた。
「おはようございます。父さん」
Aが二度目の朝を迎えたのは義勇と錆兎が鍛錬に向かった直後のことだった。
鱗滝は挨拶を返しつつ「今日は遅かったな」と斧を置く。世間一般では決して遅いというような時間帯ではないのだが、Aにしては遅い。という意味だった。
「義勇と錆兎に素敵な心遣いを頂きまして」
「成程。よく眠れたか」
「はい。すっかり元気です。昨晩の鍋もとても美味しかったです、具材が豊富で豪華で、態々用意して下さったんですよね」
「まぁな」
「改めてご馳走様です」
両手を合わせて小さく頭を下げる。見た目からわかるほわほわに鱗滝も仮面の奥で頬を弛めた。
──十五日後。いつも通りの光景が家屋の前であった。Aが笑顔で挨拶を、鱗滝がそれに応えて他愛もない話を交わしつつ薪を運んだりする。
「今日もいい天気ですね」
「ああ、そうだな。快晴だ」
「いい事がありそうです」
「いい事……いや。どうだろうな」
「父さん？ あっ」
雲ひとつない青空に摘まれて手首で揺らされている風鈴か。なんて思いたくなる程に澄んだ音色がチリン、チリン。と歩み寄ってきた。
Aの目にその音が映る。
風鈴の数数は編笠から垂らされていた。ひょっとこの面も見えた。わっ、と手を振る。
「鋼鐵塚さん！ お久しぶりです」
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
