�� - 005 卑下するな ページ5
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「ちょっと嫌ね何してるの」
Aはおもむろに振り返った。
道端のゴミの山に手を突っ込んでめぼしい物はないかと探りまくっていたのが通行人の女性には奇怪に映ったようだ。当たり前と言えばそうなのだが、Aは一刻も早く腹の足しになるものを一つでもいいから見つけたい気持ちがあった。そう。端的に言うととても急いていた。
──義勇の体調が今朝から優れないのだ。
吐息は荒く呼吸の間隔もバラバラで不安定。もしかしたら自分の与えた何かしらが彼の幼い身体に悪影響をと思って膝から崩れ落ちたが、それでもどうしようもなかった。お金なんてない、十代前半のAにできる仕事などなかった、どこに行っても汚いと突っぱねられる。同情など買えない。
だからこうして結局ゴミを漁るしかない。
「汚いわねもう。病気が蔓延しそうじゃない」
「……すまない。すぐに去る」
「あんた孤児じゃないわよね？ その包帯もあざとく見えるけれど。巷で流行ってるって聞いたわ。善良な人の優しさを利用して小銭をせびる悪徳商法」
Aは眉を下げた。それは心外だなと気分を害したための表情ではなかった。
そんな被害があるのかと心の底から顔も名前も見たことの無い他人を気の毒に思っていたのだ。これをどうしようもないと叱ってやる大人が今、Aの隣にはいない。
「本当に下衆なことだわ。みっともないわよ坊や。ご両親の言いなりになっているあんたも」
謝罪をしようと腰を曲げかけた。
その時だった。突然肩に手を置かれてグイッと後方に引っ張られる。
訳も分からずされるがままになっていれば、目の前に水色が広がっていた。要所要所に雲柄が入れられた立派な着物。を身にまとった男性の背中が視界いっぱいにあってAは当惑する。
「関係のない事だ」
「はい？」
男性は低い声で一蹴りした。
姑のようにグチグチとそれも手を差し伸ばすべき対象である痩せ細った子供に、顔の半分を包帯で覆ったAに向けて放ったお門違いの侮蔑の言葉を、どこからともなく現れた"天狗の面を着けた男性"は一蹴りだった。
突然失礼ね。みたいな顔で不機嫌を顕にする女性に「それと同様の気持ちをこの子供も感じていた」と真正面から言い切り、女性が瞠目するやAの手を取った。
「行くぞ」
「ま、待ってくれっ」
義勇が。とAは顔を歪めた。と言っても左半分の大怪我のために殆ど表情の変化は無い。
男性は歩みを止めて「家族か？」と聞いた。
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
