�� - 004 幻は知性によって見る ページ34
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「綺麗な藤の花だ」
要登Aの瞳によく似た美しい色合いがそこら中に咲き乱れている。息を呑みたくなる程の神秘が目の前に広がっているせいで、これより向かうのが生死を別ける修羅の地になるとは到底思えない。
しかし鼻が利くA。藤の香りをくぐり抜け
愛らしい花に癒されていた顔を引き締める。と言っても左目のすぐ上に穿たれた傷痕の後遺症で彼女の表情は大した変化を表さないのだが。微笑む程度は出来ても、なかなか大口を開けたりは辛いようである。
「…………わぁ」
鳥居を模したように地面に突き立てられた大木二本、一礼してからそこをくぐると個性豊かな背中がポツポツと点在していた。
背中に刀を背負っている長髪の少年や、顔に傷のあるもの、包帯を巻いている女の子、着物を中途半端に着崩している小柄な少年、等などこの彩りが一堂に会したならば静寂など有り得ないだろうと小太りの上官とか何かが断言しながら笑って手を叩きそうな面々が目につく。
無論小太りの上官などここにはいないし、彼ら彼女らは現時点では仲間でもなんでもないので会話のひとつもない。木の葉の擦れる程度の小さな弱音は聞こえたり、聞こえなかったりはするが。
「おい。早く入れよ」
「嗚呼、すまない、少し圧倒されていた」
大木にもたれかかっていた少年が鬱陶しそうに眉をひそめながら"文句"を投げつけた。
そう、少年にとってはさっさとしろよ馬鹿。という文句かつ暴言だったのだが、流石はAと言ったところかおおらかな笑顔ですっ、と頭を下げてから中央付近に進んで行った。
「何だありゃ……可愛いな」
頬を赤く染めた少年はそわそわしながら、Aに気づかれないよう、まるでこそ泥のように足音を忍ばせて彼女の後ろに歩み寄った。
この少年、紛うことなき思春期である。
Aの頭で微笑む狐の面を発見すると「面まで可愛いのかよ」と口許を押さえた。
「皆さま」
もうひとつ先の大木二本、その隙間に日本人形のように佇んでいた幼子二人が台本を打ち込まれたカラクリのように声を発した。
愛らしい子供たちだ、と微笑むAを後ろから凝視する思春期少年は今の微笑みはっ、と心臓をドキドキさせている。
「今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり、外に出ることはできません」
�� - 005 行動せよ→←�� - 003 ものごとに執着するな
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
