�� - 005 行動せよ ページ35
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「山の麓から中腹にかけて鬼共の嫌う藤の花が一年中、狂い咲いているからでございます」
「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから、鬼共がおります。この中で七日間生き抜く」
「それが最終選別の合格条件でございます」
「では、行ってらっしゃいませ」
「ありがとう」
一通りの説明を終え後は会釈をしてその背中を見送るだけ。であったおかっぱの似合う幼子二人に頭を下げたのはやはりAだった。と言うよりA以外にこんな事をする剣士はいないだろう。
その場にいた全員が
歳だけで言えば一番の年長であろうがそれにしても異質に映った。
おかっぱの幼子も、こうして感謝を述べられたのは初めてのようであった。元より真ん丸な瞳を見開いて小指より小さな唇をポカリと開いている。
(律儀だ………やべぇ、嫁に欲しい)
思春期少年は一人痙攣していた。
「頑張るよ。ありがとう。七日後にまた」
「あ……………」
黒髪の幼子の頭を撫でてから、白髪の幼子の頭を撫でて階段を上がっていく。メドゥーサに睨まれたがごとく硬直していた他の童子達もぞくぞくと続く。
思春期少年もようやく平常心を取り戻し階段を一段飛ばしで駆け上がって行く。
「…………変な人」
「………うん。
顔を見合わせた幼子二人はのっぺりと言った。
「お、お前、おい、お、お前！」
「ん？ 何だ、あっ君は先程の」
(記憶に刻まれた俺……！)
喜びに打ち震えるのはいいが今は最終選別の真っ最中であるぞ。
「おま、お前の名前を聞いておきてぇと思ってな。実は今記憶力を鍛えている最中なんだよ、あのえっと、記憶の容量を広げようっていう週でよ」
「うん」
「お、俺の育手が心底めんどくさい性格した傲慢な奴でな、そいつに面白い話の手土産と生き残ること、最終選別を受かること、鬼は最低でも五体は斬ること、色々条件を出されてて……」
「うん」
「………君の名前を聞いてもい」
「ひゃっはー！ 人間だァ！！」
最悪の時分。思春期少年もとい──
「食いたい食いたい食いたい！ 腹ぺこなんだよおいら！ いつぶりの肉かなぁいつぶりの人肉かなぁ！」
固まる燐野を背中に、Aが鯉口を切る。
「食わせるものか」
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
