作者の欲を満たす為だけの短編集【地縛少年花子くん】【ONE PIECE】【東方Project】【妖怪学校の先生はじめました！】【暗殺教室】etc...

お菓子〈寧々〉【地縛少年花子くん】 ページ2

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ある日の放課後。

私は目の前を歩いて、ある場所へと向かう見覚えのある姿を見つけた。

その人物の隣まで小走りで近づいて顔を覗く。




｢ねーね先輩っ。今から行くとこですか?｣

｢わっ、Aちゃん!!｣




その人物とは二つ程上の先輩。

二、三週間程前に、偶然知り合ったかわいい先輩で、高等部の一年生。

寧々先輩は背が小さくて、私よりもちょっとだけ目線が低いの。

でもそういう所もかわいい……。




｢Aちゃんも今から?私もちょうど向かう所だったの〜!一緒に行かない?｣




と誘われ、もちろん断る理由などない為、すぐに承了した。








｢あ!そーいえば寧々先輩って甘いもの食べます?家、お菓子屋なので売れ残りとかくれるんですよー。｣

｢ほんと!?ありがとー!何があるの?｣

｢ふふっ。えーと…。｣




うん。思ってた通り、すっごく喜んでくれた。

カバンから出しながら寧々先輩の顔を見ると、表情がまるで子供がおかしを待っている時のように、かわいらしい笑顔だった。

あ〜!早くあげたい!






｢ん〜!おいしい!!｣

｢えへへ、それはよかったです!｣




おかしを嬉しそうに頬張る寧々先輩に、思わず笑みがこぼれる。




｢(……これもあげたかったけど、もし失敗してたらヤダしなぁ…。)｣




そう思いながらカバンの中にあるおかしを見つめる。




あれは私が寧々先輩に作ってあげたいなって思って、光先輩に作り方とか教わりながら手作りしたカップケーキ。

でも見た目はあまりおいしそうには見えない。

さすがにこれだけはあげられない……かな。

光先輩には悪いけど……。




｢ねェAちゃん、カバンの中に入ってるのって…?｣

｢んへ!!?｣




バレた!!?早くない!!?開けっ放しにしてた私も悪いけど!!




｢それ、誰かにあげるお菓子?｣

｢!い…いや……えっと……。｣




どうしよ……あげちゃおっかな…。

………!!えーい!あげちゃえ!!




｢こ…これ……。失敗しちゃったかもしれないんですけど……寧々先輩に。｣




下向きながらそっと渡すと、おかしを持った寧々先輩がすごく綺麗な笑顔で言った。




｢私にくれるの?……ありがとうAちゃん!｣





__

｢味の保証はあまり…。味見とかしてないんで…。｣

｢でもすっごくおいしいよ!｣

｢ほっほんとですか!?よかったー!｣

｢ふふふっ。｣







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