三 ページ3
｢あの、巫女さん……。｣
話しかければ首を傾げられた。何故。
｢……ああ、そういえば名前言ってなかったわね。｣
確かに言っていなかった。
お互いに名前を。
｢私は博麗 霊夢。この博麗神社の巫女よ。｣
｢霊夢……さん?
霊夢でいいと言われ、霊夢と呼ぶ事に。
｢ところでさ、ここに来る前に何処にいたの?｣
｢えっ?急ですね…。｣
｢いいでしょ別に。｣
いつの間にか入れて頂いたお茶を呑みつつ、神社巡りをしていた事を切り出す。
｢それで今日は最後と決めていた神社まで足を運んだのですが…。｣
｢気づいたらここだった……と。｣
頷きつつ、理由を考える。
何故何度も訪れて一度もこんな事はなかったというのに今日に限って…。
｢結界が歪んでいたのか、はたまた加護か呪いか……。｣
｢の、のの、呪い!!?｣
｢ただの思いつきよ。そんな本気にしないでよ。｣
呆れる目線。少し刺さった…。
｢怖がりはどうにかしてよ?ここには幽霊だっているんだから。｣
｢い、いる……っの!?｣
｢………冥界にね。｣
こっちにはいないから。
そう言われても妖怪だっているじゃないか。同じものだ。
｢私が巫女だって事忘れてない?｣
あ……。
｢巫女っていえば憑き物祓うじゃない?怖がってたらあんたに行っちゃうわよー。｣
｢そんな……!!｣
｢イヤだったら怖がり直しなさい。｣
｢……頑張ります。｣
何だか上手い事言いくるめられた気しかしない…。
。
《冥界の庭師といい勝負》
。
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