ご主人様の言う通り episode4 (ページ10)

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｢…智くん？入るよ？｣

大野｢おー｣

｢ごめんね、なんか気使わせちゃって｣

大野｢それで、気持ち伝えれなかったか｣

｢…うん｣

大野｢そっかそっか笑｣

なんて優しく笑うんだから涙が出そうになる。

｢和ね、結婚するんだって｣

大野｢そっかー｣

｢わたしって、バカだね…｣

大野｢モモちゃん。恋ってそういうもんだよ。バカになっちゃうんだよ｣

｢ちゃんと気持ち伝えれなかった｣

大野｢大丈夫。にのは分かってる。｣

｢ほんとかなぁ｣

大野｢大丈夫だから、今は泣きな？｣

その優しい声をきっかけに私の涙腺は壊れた。

大野｢もう、みんなして素直じゃないんだから｣

智くんがそう呟いて静かに笑った。

暫くして私の涙はぴたっと止まった。

きっともう出す涙がないんだろう。

｢智くん、ありがとうね｣

大野｢モモちゃん。後悔だけはしちゃダメだよ｣

｢うんわかった｣

そう言って部屋をあとにした。