石の世界でアテナは生きるⅡ【Dr.STONE】 (ページ39)

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薄っぺらの同盟３ページ39

Aside

倉庫を飛び降り、メンタリストの立っている私たちが自作した手回し発電機の方へと歩く。

確かめなければならないことがある。彼が敵だろうと味方だろうと。彼に追いついた私は声を掛ける。

ゲン「あれAちゃん？もしかしてAちゃんもクロムちゃんみたいに情熱的な告白をしてくれる感じ？」

観察するのは表情だけではない。

A「司は本当に、何も言わなかったのか？」

司は知っている、私の事を。
私が櫻葉の人間だということを。

莫大な金額を支援したことも事実であるが、獅子王司はそもそも櫻葉の被害者として、多くの被害を受けた立場でもある。

A「教えてくれないか？本当のこと」

私が浅霧幻に本名を名乗ったとき、本当に初めて知った、という反応をしていた。きっと櫻葉当主が2019年5月26日以降新しくなる、という世間に公表されたニュース以外知らなかったのだろう。

ポーカーフェイスが上手くても判ってしまう。少しの嘘くらいは簡単に見抜けてしまう。私が旧現代で生きていたのは嘘と仮面で塗りたくった空間だ。

笑顔も、言葉も、所作も、態度も。嘘を重ねに重ねて都合の悪い部分は綺麗に隠し、上手に嘘をつく。

私たちの世界じゃ、完璧な嘘は処世術だ。

A「司は私のことを君に話したのか？」

それでも＿＿＿＿

ゲン「ううん〜、話してないし何にも聞いてないよ。Aちゃんは世界一切れる女の子、だってさ♪」

信じたいと思ってしまうから……

A「……」

ゲン「Aちゃんのことも、教えてくれないかな？」

ね？と、語尾にハートが付きそうなほど明るく聞いてくるメンタリストだけれど。

A「まだ言えない。千空にも言ってない」

ゲン「……言えないってことはいつか言ってくれるってことで「誰？」え？」

急に感じた何人かの人の気配と殺気。

喋り出したメンタリストを強引に遮り、彼を守るような体制になりまず私自身を落ち着かせる。真っ暗闇で視界が悪い、最悪な戦況だ。

一番大柄な男がメンタリストを庇うようにして立つ私目掛けて襲って来る………

あぁ〜、やばいかも。