陽岬･過去編2 ページ10
直ぐに1週間は過ぎていった
いつもよりも笑顔でいようと努力していた
……
明日が終わればきっと政府から迎えが来るのだ
逃げれば、愛しの彼らはきっと良いようにはされないだろう
最悪の場合折れる…
陽岬(そんなことにはさせない…
私があの子たちを守るの…)
自分にに何があろうとも…
もう夜で、静まり返っている本丸
窓から外を見ると
酷く美しく満月が輝いていた
…陽岬を嘲笑うかのように…
陽岬「ｯ……」
あぁ、辛い
泣けてくる
もしも今ここで泣いてしまったら
誰かが気づいて来てくれるだろうか
いや、来てくれるだろう
あのこたちは酷く優しいから
特に、巴形や長谷部などは敏感だろう
あぁ、加州も来てくれるかもしれない
陽岬(あ、でも1番は)
歌仙「主…」
陽岬「……(やっぱり)」
あなたが来てくれる気がした
陽岬「どうしたの？」
窓を見たまま答える
何かあった？
そう聞くと、歌仙は
歌仙「少し、悪い感じがしてね…
君は寂しがり屋だし、そういうのに敏感だから
それに、今なら独り占めできるだろう？」
そう微笑むと、歌仙は私を後ろから抱き締めた
歌仙「何があったのかい？」
陽岬「…どうしてそう思ったの？？」
歌仙「うーん、何でだろうね…
まぁでも君といちばん長くいるのは初期刀である僕だろう？｣
その次は後藤で、その次は天光丸だ
その2人もきっと気づいていると思うよ？
そう、歌仙は言うと、もう一度私を抱きしめる
陽岬「そっか……」
歌仙「……
君は独りなんかじゃないよ…
詳しくは聞かない…でも、あまり抱え込まないでくれ……
僕達は君のことがすきで、君以外いらないくらい大切なんだよ。｣
だから、もう少しくらい頼ってくれたって良いだろう？
そう、困ったように苦しそうに微笑む歌仙を見て、酷く辛くて
陽岬(これを言ったらきっとこの子達は政府へ乗り込む…)
そうした場合どうなるのだろうか
もしかしたら折られるかもしれない。
そんな危険があるのだったら、嘘をつく方が私は良い……
陽岬「ありがとう…歌仙
少し疲れてたの…」
だから大丈夫だよ…
そうやって笑った私の顔は酷く醜かった(と、思う)
だって、歌仙が酷く悲しそうに顔を歪めたから
陽岬「……もう！何！？そんなに、私のこと心配？
ちょちょ(笑)そんな不満げに見ないで？
大丈夫だから〜！！
あ、じゃぁ！前みたいに3人で寝ましよう？！」
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作者名：長女 | 作成日時：2019年10月23日 22時
