白と黒と、【男主】【刀剣乱舞】 (ページ33)

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第62話ページ33

きっと古参の奴らだろう

俺の知っている奴らにとても似ている

纏っている霊力は全く同じだ

……

…

そいつらは陽岬が泣いているのに気がつくと

天光丸を睨む

天光丸(！！全然仲良いじゃねーか)

「おいおい、お迎えきてんぞ」

早く離れろ？

そう天光丸は言うと、

陽岬「うん、そうだね」

潔く離れる

天光丸は初期刀である山姥切に近づく

天光丸「━━━━━━━━━━━」ボソッ

山姥切「！！！！」

一瞬で顔が強ばる山姥切

愛染「……おまっ…！！」

愛染は言い返そうとするも

天光丸の強面には叶わないらしい

小狐丸は天光丸を睨んでいる

陽岬「？」

陽岬は聞こえなかったようで

状況を理解出来ていない

………………………

愛染「主！みんな待ってるから、早く帰ろう！！」

そう愛染は陽岬の手を引く

陽岬「え、あ、うん！」

着物だから走りずらそうだ

陽岬は、振り返って美しい笑顔で口を開く

陽岬「天光丸！今までありがとう！

あなたの幸せが、私の幸せだよ……！

私の初期鍛刀があなたでよかった！！

.

またね！」

天光丸は目を見開き優しく微笑む

天光丸「あぁ、またな"主"」

陽岬「！！！！！」

ここに来てから1度も呼ばれなかった

ずっと審神者名で呼ぶか、お前だった

天光丸が、崩れ落ちるのが目に入る

陽岬「てんこうま……！！」

手を伸ばすも

無慈悲に門は閉まる

陽岬「……ぅ…ぁあ」

やっと笑顔でさよならできると思ったのに

小狐丸「ぬしさま？」

心配そうに見つめる小狐丸。

愛染はぎゅっと手を握ってくれている

反対の手でゴシゴシと涙を拭おうとすると

国広がそれを辞めさせる

山姥切「目が腫れる……」

あぁ、この子達は優しい

きっと気になるのに何も聞いてこないのだ

ずっとこれを無視していた

陽岬「…ごめんね」

山姥切、小狐丸、愛染「！？！！」

迎えに来てくれた子達に笑いかける

ちゃんとこの子達を見たのはきっとこれが初めてだ

我ながら本当にみっともない

クヨクヨするな……！！

私はか弱いヒロインなんかじゃない！

さぁ、前を向け

陽岬「帰ろう、私たちの本丸に！！」

今度は後悔しないように

大切なこの子達の主なのだから

山姥切「あぁ！！」

愛染「おう！」

小狐丸「はい」