YG side ページ44
.
ガシャンと大きな音がキッチンに響いて
朝っぱらから溜息をついた。
割れた食器を片付ける時指を切ったけど
そんなことは気にならない。
まだ若干引きつっている手が痺れて、まるで別の生き物かのように違和感がある。
YG｢…｣
進行が緩やかになってるなんて言ったけど、確実に体をむしばんでいる。
俺がアメリカに行く日までもつのかすら怪しい。
避けられない別れが、一日、また一日と近づいているんだと痺れる指が思い知らせる。
学校に行く前に、いつもの音楽スタジオに寄って
俺はバイトを辞めた。
.
図書室のカウンターの中で作業をする姿
眠そうにあくびを堪える姿
目が合うとはにかむのも、
あと何回見ていられるんだろうか。
ぼんやりと眺めているだけじゃ勿体ない気がして歩み寄る。
『手伝ってくれるの？笑』
YG｢見てるだけ｣
『なーんだ』
隣に座って至近距離で観察する。
鼻が高いこと、まつ毛が長いこと、手が小さいこと
『なんで見つめるの』
YG｢なんでだと思う？｣
『んー…』
考える時、耳をいじること
『あ、ゴミが付いてるんでしょ』
YG｢ん。正解｣
『もう、早く言ってよ！どこ？』
髪の毛が柔らかいこと
華奢なせいで、引き寄せるのが簡単なこと
『ちょっ…』
キスする時、ぎゅっと目を閉じること。
『ユンギく…』
いろんなユナを記憶していればきっと大丈夫だと
自分を安心させたくて。
『…ねぇ、っ』
体を支えて、離れては出かける言葉を何度も塞ぐと
やがて訊くのをやめて受け入れた。
『…』
YG｢…｣
何も訊かないで欲しかったのは、
とても残酷なことをしているからで。
『…泣いてるの？』
ユナの指が頬を撫でて、涙が出ていたことに気づいた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 356人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナムジュンの彼女でｓ((殴 - 主様、ユンギおっぱにキスされちゃう世界線どこですか (2022年1月26日 22時) (
レス) @page48 id: 929eb11238 (このIDを非表示/違反報告)
さーあ(プロフ) - めっちゃいい話ありがとうございます 更新楽しみに待ってます (2020年12月9日 13時) (レス) id: db88210b2a (このIDを非表示/違反報告)
ユンギ推し - いいお話ありがとうございます！途中から泣いちゃいました（ウルウル） (2019年10月22日 22時) (レス) id: e512c5d2f6 (このIDを非表示/違反報告)
miz(プロフ) - ねおさん» 嬉しいです;_;頑張ります！ありがとうございます^^ (2019年10月2日 7時) (レス) id: 457dd6a369 (このIDを非表示/違反報告)
ねお - 久しぶりに凄く素敵な作品に出会えました！更新待ってます！ (2019年10月1日 22時) (レス) id: 5786211d87 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miz | 作成日時：2019年9月28日 23時
