検索窓
今日:16 hit、昨日:11 hit、合計:96,569 hit

最悪な日 ページ18

「あの姉ちゃんも人質に取られてるんか…。」
『うん。蘭だけじゃなくて、子供たち4人もね。』
「…それに、どうやら依頼人はオレのことを工藤新一だと思っているみてえだし。」


馬車道にあるベンチに移動した私達は、お互いの状況を話し合うことにした。

コナンが難しい顔でそういうと、平次くんがぎょっとしてこちらを見つめる。


「お前の正体を知ってるっちゅうことか?」
「さあな、それは分からねえけど…。」
「おい。まさかお前の体が薬で小さなったってバレたんとちゃうやろな?例の黒ずくめの…。」
「………。」


そこでプツンと会話が途切れ、沈黙が流れる。そのせいか周囲の音が急にはっきりと耳に入ってきた。

私たちの横を通った、米花綜合警備保障の車のエンジン音。……あれは!

その車を追いかけるべく思わず走り出すと、コナンと平次くんが慌てて後ろをついてきた。


「おい、どないしたんや!A!」
「なるほどな…!目出し帽に逃走用車両…!」
「!現金輸送車襲撃っちゅうことか?」
『そうだよ!』


角を曲がって見えたのはさっきの車が駐車するところ。

「あれか!奴の言うてたんは。」
『多分ね!』



「ねーねー、ちょっといい?」
「なーに?坊や。」


コナンの声が遠くなったと思って振り向けば、既にコナンは横断歩道の先にいた。

占いの看板を立てているおばあさんに何か聞いているようだ。


「あの現金輸送車って襲われたことあるんじゃないの?」
「そうよ?確か…4月4日じゃなかったかしら。」
「ここで店構えてるんやったらどうせ警察にも聞かれてるんやろ?」
『いきなりすみません、私たちにも詳しく話して貰えませんか?』
「えっ…ええ。」


いきなり話しかけられて一瞬たじろいだ素振りを見せたおばあさんは、そのまま言葉を紡いだ。


「ちょうど今頃の時間だったと思うわ。ほんの一瞬に思えたわ。夢か現実か分からないくらいにね。」

「…手際がよかったっちゅうわけか。」
「ありがとう、おばあさん。」

そうして、踵を返そうとする私たちをおばあさんが切羽詰まったように呼びかける。


「ちょっと待ちなさい、あなた達!」
『…?どうしたんですか?』

占い師特有の虫眼鏡で、私たちの顔やら体やらを隅々まで見るおばあさん。


「あなた達、今日はあなた達の人生の中で1番最悪な日だわ。早めにうちに帰って寝てるんだね。」
「…ああ、そうするよ。人生で最良の日に変えた後でね。」
「ほな。」
『じゃあね、おばあさん。』

人形→←しのびよる影



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (175 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
957人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あまね(プロフ) - めさめさすきです! (12月29日 23時) (レス) @page23 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
CHARA - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月10日 14時) (レス) id: c3eefd4712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - さあ、これからどうなるの、らんやコナン彼女ちゃん事件解決できるか、コナンと彼女次回は楽しみにしてます (2019年12月3日 8時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - かなさん» ありがとうございます!夢主ちゃんと新一は、絶賛両片思い中ですね。私自身、両片思いって大好きなんですよ笑笑。でも2人がくっつくと蘭が…てことでちょっと切ないですよね。応援ありがとうございます!楽しみにしていてください! (2019年6月21日 20時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - この作品大好きです!いつも更新楽しみにしてます!夢主と新一がどうなるのか、とても楽しみです!頑張ってくださいね! (2019年6月21日 7時) (レス) id: e7431ce181 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年5月19日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。