【探偵たちの鎮魂歌】目覚めたら金髪碧眼ロリになっていました。【名探偵コナン】

愛する人 ページ16

コナンside

とりあえずトイレを出てAに状況を説明するか…。

そう思って、個室のドアノブに手をかけようと手を伸ばす。


｢事件は必ずオレが解決する。だから、A達のIDを外してくれ！｣


｢(…クソっ！)｣
何度も呼びかけるが、依頼人は何も言わない。
まあ、聞いてくれるとは思っていなかったが。

｢…愛する人を｣
｢…は？｣
｢愛する人を亡くすのがどんなに辛いか…。
そうならないように頑張ってくれ。工藤くん？｣


その言葉を最後に、通話は途絶えた。


愛する人と聞いて、真っ先に浮かんだのは今頃このビルでオレを探し回っているだろう幼なじみの事だ。

命にかえても、守ってみせる。…なんて思ってるのを知ったら、あいつは怒るだろうか。


フッと小さく笑って、また考える。

…それにしても。
｢(…何故だ。)｣

何故あいつは、オレの正体を知っている？
オレが…

｢(工藤新一であることを…。)｣

あいつは、何者なんだ？


Aside


コナンを見つけて、警察署から出た私達は阿笠博士のところへ向かった。
コナンが阿笠博士にIDが外せないか聞いているけど、やっぱり無理そうだ。

コナンから話は大方聞いた。『夜のカフェテラス』って言えば…。


｢ほれ、Aくんにも持ってきたぞ。Aくんは、ローラースケートじゃ。｣
｢ん、そんなの博士にいつの間に頼んでたんだ？｣
『んー、結構前かな。コナンがスケボー乗ってるの見ていいなって思って…。』


ローラースケートの裏側を見たり、いろんなところを触ったりしながらコナンの問いに答える。
おお、コナンのスケボーみたいにエンジン付きなんだ。スイッチは…靴の履き口の真横か。


最初はスケボーがいいかなって思ってたんだけど、コナンみたいに上手く乗りこなせる自信が無いし…。ローラースケートなら可愛いし昔よく履いてたからね。



｢…そういえば分かったのか？夜のカフェテラスがどこなのか。｣
｢ああ。分かったよ。｣
『夜のカフェテラスは、あのフィンセント・ファン・ゴッホが1888年に描いた絵画なんだよ！ガス灯に照らされたカフェテラスの奥から馬車が向かってきてるっていう風景画なの。』
｢ああ、だからガス灯と馬車とくれば日本で最初にガス灯が付けられた馬車道しかねぇぜ！」


確信を持ったようにニヤリと笑うコナン。
いつの間にかスケボーのエンジンをつけて発進したコナンを見て、慌てて私もローラースケートのエンジンをつける。


『え、あちょ、コナン！待ってよ！』

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