【まふまふ】白くて黒い【そらる】

Coffee 18 ページ18

行ったら終わり。




そんなことわかってるはずなのに足が止まらなかった。




食堂に着いて目立つ白い髪の毛を探して





「あ、やっときた〜」




私を真っ直ぐ見てくれる人。




「もう、そらるさんびっくりしてたんだからね？
いきなり飛び出すから…。」






『…なんで、まふくん講義は？』






「んー？そんなのAちゃんの方が大切だからに決まってるじゃん。」





さも当たり前かのような態度のまふくん。




今の私にとっては甘美な言葉でしかなくて





そらるさんが好き。





頭ではわかってるのに





『まふくん』



震えた小さな小さな声。




周りの騒がしさに掻き消されてしまうような声なのに





「ん？なあに。」




ちゃんと私の目を見て




声を聞いてくれる。






『もう…そらるさんを好きでいるのがつらい。』





「…そらるさんと別れるの？」





まふくんの方へ堕ちている





この誘いも策略なのかもしれない。





そんなことどうでも良かった。





『…うん。』




小さく頷いた私を見てまふくんはこの空気にアンバランスな笑みを浮かべた。





「そっかあ、そらるさんに縋るの疲れちゃった？」





皮肉のこもった言い方なのに何も感じない





もう疲れたの。





そんな言い訳を見つけて逃げる自分に嫌悪感を抱く





立ち尽くす私の腕をまふくんがグッと引いて抱きしめる。





何も答えない私にまふくんは囁いた。






「溺れるくらい愛してあげる。」





やけに力のこもった腕を私は振り払えなかった。

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