【まふまふ】白くて黒い【そらる】

Coffee 16 ページ16

真剣に講義を聞こうとするもののそらるさんの笑顔が頭から抜けない。





優しくて、あったかい





ふわふわと幸せに満たされていると




コン、コンと隣から音が鳴る





ちらっと視線をずらすと





まふくんが此方をつまんなそうに見ながら指で机を叩いていた。





『……なに。』





「…6回」





まふくんが小さくそう呟いた。




何のことかさっぱり理解ができない






私が小さく首を傾げるとはあ、と1つため息をついて口を開いた






「…そらるさんとAちゃんが目合わせてた回数」






『……は？』







「そらるさんも酷いよねー、好きじゃないくせに離れようとしたらあーやって繋ぎ止めて」






『何言って…、そらるさんはちゃんと…』





大声で言いたくなる衝動を抑える。





そらるさんと付き合ってることは内緒。絶対に。




2人のときに見せてくれるあの優しい笑みも




近づくとふわっと香る甘い匂いも




白くて綺麗な包み込んでくれる手も




愛しさで溢れる筈なのに。





それなのに






「この期に及んでまだそんなこと言ってるの？
2人きりのときに好きって言ってくれないなんて好きじゃないのと一緒でしょ？」





なんでこの悪魔の言うことに頷く自分がいるんだろうか





「〜〜〜〜で、」





大好きなそらるさんの講義なのに




内容が右から左へ流れていく。






冷たい瞳が怖くひたすら手元を見つめる



ペンを持つ手の温度が下がっていく




不意に大きくて温かい手が重なる



目を向けると目を細めて愉快そうに笑う悪魔がいた







「いつまでも縋ってないで、堕ちていいんだよ？」

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