陸くん争奪戦！？ (ページ10)

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体育大会も終盤にさしかかり、残る種目はサッカーの決勝と男女バスケの決勝となった。

野球と男女のバレーは準決勝で敗れてしまい、私の試合は終わった。

あとは応援するだけだから気が楽だな〜

楓「次は男子バスケの決勝か！」

出場するのは、陸くん、翔平、海青、樹、そしてバスケ部エースの渡辺くん。

最強メンバーだと思う。

樹もずっとバスケやってたからめちゃめちゃ上手だし

希「みんな頑張れ！」

『ファイト！！』

試合に出るメンバーが、クラス全員とハイタッチしていく。

海青「優勝してくる！」

『いけ筋肉！』

翔平「よっしゃ暴れてくる！」

『ほどほどにね？』

樹「試合中もちゃんと応援しろよ」

『わかったわかった、頑張れ！』

陸「…」

陸くんの順番が来たのに、何も言わない陸くん。

何か考えているみたいだ

『どうしたの？』

陸「試合中、名前呼んで応援して欲しい！」

『へ？』

なんで急にそんなこと？

まあ良いか

『わかった！陸くん頑張ってね！』

陸「うん！優勝してくる！」

ぱあっと笑顔になって、陸くんは走って行った。

晴美「わかりやすい…」

希「あれ気づいてないのお互いだけだよ」

楓「はあ、鈍感…」

3人のそんなやり取りは耳に入らなかった。

ブザーが鳴って試合が始まった。

相手は3年生だ。

希「あの人めっちゃ強い…たぶんリキヤ先輩だ」

晴美「あの有名な！たしかプロになるんでしょ？」

リキヤ先輩以外の先輩方もすごく強くて

全員身長もあるし、体格が良くて海青みたいだ

楓「押され気味だね…」

3年生に比べたら陸くんたちは小柄で細く見えてしまう

怪我しませんように

『みんな頑張れー！』

応援しかできないから、一生懸命声を張り上げた。

そういえば陸くんに名前呼んでって言われてたな

ちょっと恥ずかしいけど、みんなも応援してるから

『陸くん頑張れっ！』

聞こえたのか、陸くんがピクッと反応した。

そしてなぜか樹がこっちを見た。

何か口パクパクしてる…？

希「俺も、って言ってない？」

楓「樹くんも健気だな…」

『俺もって名前呼べってこと？』

晴美「うん、呼んであげなよ」

『樹頑張れー！』