【ヒロアカ】無気力系我々幹部【実況者】

憧れ ページ49

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小さい頃、俺は総統様に憧れていた。

同じような個性で、あそこまでいける総統様に、ヒーローと同じくらい憧れた。

この個性が出た時、とても嬉しかった。

だけど、周りの声や目は、俺の夢を諦めさせるのには充分だった。

「洗脳？なんか敵向きだね〜」

「その個性って敵向きだな！」

……いや、元からヒーローになることなんて諦めていたのかもしれない。

でも、兄さんだけは違った。

「敵向きなんかじゃないで。人使もヒーローになれるよ」

そう、俺に言ってくれた。

……それから、兄さんが家を出て行った。

その、数日後。

敵が俺の前に現れて、人質にされた。

その時の怖さは、今でも覚えている。

ヒーローは、誰も助けてくれなかった。

父さんや母さんが助けを求めていたけど、ヒーローは動かなかった。

……その時に、あの人は現れた。

「＿＿大丈夫。今助けるよ」

その紫の瞳に吸い込まれた。

「……怪我は？痛い所とか無い？」

俺と同じくらいの歳のはずなのに、敵を一瞬で拘束した。

その姿に、感化された。

「……なまえは？」

「……僕はセナ。通りすがりの人だよ」

その日から、セナを追いかけた。

いつの間にか、ヒーロー以上にセナ様に憧れていた。

セナ様が出ている国営放送やらじおは録画して何回も見返したし、イベントも母さん達に無理言って行かせてもらった。

雄英高校に受験したのも、いつかセナ様の近くで働くために、頑張ったんだ。

だからこそ、見間違えるはずなど無かった。

「心操……お前の目ぇ腐ってんじゃねぇの？」

「まさかあの子があの高貴なるセナ様なわけないでしょww」

「Aちゃんがセナ様とかセナ様が可哀想ぉ〜……」

明日、昼休みに裏庭……だな。

……それにしても、今頃兄さんは何してるんだろ。

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