ボナペティ！【ALL】 (ページ41)

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翌日は、ほんとは朝から小道具の納品チェックと、こまかい修正作業が入ってたんだけど、チーフのカンさんに

『夜に彼氏がプロポーズしてくれるみたいなんですけど、私いい感じの服持って無くて。買いに行きたいのと、美容室に行きたいんです』

って言ったら、息もできないくらいに爆笑されて、

K「正直すぎる！」

つって午後の早引きを許可してくれた。

それから、私はアリンがくれた写真を手にショップのスタッフのお姉さんとあれでもないこれでもないと、清楚でエロをひたすら探して(探してもらって)、ついでにお姉さんがオススメのネイルもしてくれる美容室をおすすめして、急だったのに予約もねじ込んでくれた。

「普通ここまでしないですけど、御客様ほんとウブでらっしゃるから！彼氏さんの期待するおしゃれに少しでも近付けるお手伝い、したいなって思っちゃって」

うん、私がおしゃれ経験値ほぼゼロなの見抜いてくれてありがとう。

そんな感じで仕上がった私は、鏡見てもちょっと自分じゃないくらい素敵になったと思った。

『皆さん…！ありがとうございます！！』

ばさっばさのまつげと、ふわっふわの巻き髪と、ぷるつやな唇に感動して目をうるませたら、

「その顔、僕らに向けるべきじゃないです。取っといてください。彼氏以外の前で泣くの禁止です」

って言って、これサービスですって、新品のハンドタオル手渡された。

皆さん優しいな…人間正直なのが、ほんと1番だって話だよ。

あけすけにご相談したら、ほとんどかわいそうな人見る目でここまで親身にしてくれるんだから。

美容室を出て、道を歩くショーウィンドウに映る自分を眺めたら、本当に私じゃないみたいにかわいいから、嬉しくなって思わず頬がゆるんでしまう。

この感じなら、グクも、喜んでくれるかな。