Fear (ページ9)

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いつものように大学が終わり、
シフトに入ってすぐのことだった

客「ねぇ、店員さん。」

私「はい、どうされましたか？」

声をかけてきたのは、

ひとりの男性客。

客「店の裏の方になんか
紙袋おいてあったのみたんですけど、
大丈夫ですか？」

私「紙袋ですか…。」

チラリと後ろを確認すると、

北斗がちょうどホールに出てきていた

北斗に任せとくか。

お客さんも多くはないし

私「ごめんなさい、どのあたりですか？」

客「あ、案内します、

ちょっとどこって言いづらくて。」

お願いします、といって
男性客のあとに着いていく。

店の裏に来ると

もう日が沈んでいるからか、

不穏な空気が漂う

一見すると紙袋のようなものは落ちていない

私「ごめんなさい、どこですか？

んん！？？」

男性客に背後から口を塞がれ、

そのまま男性客が目の前に移動したかと思うと、

壁に体を押し付けられる

客「どうして最近、僕のことみてくれないの？」

男性客は私の股の間に足を入れてきた

体に悪寒が走る。

気持ち悪い

客「あの男のバイト入ってから、

僕に冷たくなったよねぇ？」

両手はいつの間にか頭の上で

男性客の片手で押さえられ

動かすことが出来ない

口は塞がれ呼吸も若干苦しい

気持ち悪さと嫌悪感とよく分からない感情からか

涙が出てくる

客「僕のこと嫌いになったの？」

まず好きじゃない、なんて

この状況で冷静にツッコんでる自分に驚く。

こういうときって体に力が入んなくて

どんだけ脳がもっと力入れろって命令しても

言うことを聞いてくれなくて。

股の間に入れられた足が、

そこを、なぞる様に前後に動く

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い

やだやだやだやだ

誰か、助けて

北「Aっ！」

北斗の私を呼ぶ声がしたかと思うと

男性客は、私から体を離し

店の奥の路地に逃げ消えた。

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