Fear (ページ3)

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指定されたカフェに行き、

店内を見回すとピンクの頭髪が目に入る。

薄暗い店内なのに、
黒いキャップを被っていても目立つ髪色である。

北「待たせた？」

樹「いや、別に。」

テーブルに近づくと、
男は座れと言うように顎で示す。

樹「ほら、これ。」

テーブルに置かれたのは、茶色い封筒

チラリと中身を覗くと
写真と書類が10枚弱。

北「これで、全部？」

樹「あー…、確か。」

会話が無機質なのは、
この男は、単なる情報屋であるから

俺がコイツについて知っているのは
樹という名前と、情報屋であること

その2つだけだ

樹「まぁ、また必要になったら言えよ。

でも、メッセージには残すなよ。」

証拠が残るから、

そう付け足して樹は席を立った。

北「コーヒーで。」

注文を取りに来たであろう店員に、そう告げ

封筒の中身を取り出す

生年月日、
大学名、
住所、
バイト先、
電話番号、
氏名。

伊藤A

そうして盗撮であろう、この女の写真

写真の中の女は、幸せそうに笑っていた

書類にはありとあらゆる情報が記載されている

1枚、1枚、確認するようにじっくりと読む

会ったこともない女に

どうして執着するのか

どうしてこうも、憎く感じてしまうのか

それは、この女が

俺の復讐相手だから、だ。

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