あの夏 ページ12
中3のとき夜に浮かぶ綺麗な観覧車で
大好きな彼女に振られた。
「そっか｣
『ごめん、でも私森田くんのこと最後まで好きだったよ』
「うん｣
こんなこと今日言われるなんて思いもしなくて
俺は帰り道に涙を流した
A森田くんのことしか好きじゃないよ
『今度いつデートする〜？笑』
『もっかい、する、？』
『私から振らないから森田くんも私の事振らないでね』
このことずっと俺は覚えてたけどAは忘れてたんかな
10年後
今はもう俺はちゃんとした芸人
芸人というかほぼ嫌われもんになってもうたけど
今の彼女がおるおかけで今の生活は楽しい
「てっちゃん、明日から東京行くん？｣
森「そうやなー、東京進出せな売れへんからな｣
「私以外の子好きになったらあかんで〜？？笑笑｣
森「ならへんわ笑｣
もう4年も付き合っとるんや、そんな簡単に目移りせえへんに決まっとる
そう心の中で呟いて俺は東京に出た
森「東京広ー！！！！｣
東「ほんまやな〜｣
森「これから俺らが社長と副社長やで｣
東「なんかそわそわするわ｣
森「お前もう不祥事起こすなよ、マジで｣
そんな会話もし色々として夜の10時
新しい東京の家に来て1人でこれから広々と住めるのは幸せやけどやっぱり寂しい気持ちもある
「コンビニや、コンビニでエ ロ本でも買お｣
コンビニはいつでも明るいからなんか安心すんねんなぁ、
「えっ ろー、｣
カゴを持ちエ ロ本とカップラーメンを買って新居に
もう帰る
「寂しい時間がこれから続くんかー、｣
『あの、これ』
「え？｣
彼女は俺の携帯を持っていた
「落としてました？｣
『はい、』
「ありがとうございま｣
俺はお礼を途中でやめてしまった
なぜなら
俺の忘れられへん女の子やったから
『どうかしました？』
「いやっ、なにも、いや、｣
『ん？』
心臓のドキドキが鳴り止まへん
冬やのに顔も暑い
なんやこれ俺どないしたんや
『大丈夫ですか、？』
「あ、はい、ほんまに、
え、｣
彼女は俺の頬を冷たい手で優しく触った
『めっちゃ暑い、ほんまに大丈夫ですか、？』
「ほんまに、ほんまに大丈夫ですから、｣
『森田くんほんま昔と変わってへん』
「え？｣
『覚えてる？Aだよ』
「いや、あ、えっーと、｣
『まだ顔赤いでほんまどうしたん？』
Aちゃんは俺の耳を触った
あの夏のこと思い出してまう
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作者名：今宵 | 作成日時：2022年6月4日 2時
