俺の彼女とかどうすか。

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だるい仕事を終わらせて家に帰る。
今日は残業で少し遅くなってしまった。

残業なんて珍しいな...。

ため息をつきながら玄関を開ける。
目の前には仁王立ちのキヨ。
しかも真顔。

｢こんな時間まで何してんの
心配すんじゃん！｣

ただでさえ身長差があるのに、玄関の段差でさらに見上げなきゃいけない。
それにしても父親かお前は

｢ごめん、残業だった｣

｢マジ？よかった〜
今度から連絡してよ｣

キヨの表情が少し柔らかくなる。

「でもまだ22:30だよ」

リビングへ向かう途中、
キヨの背中に訴えかける。

｢いつも19:00には帰ってくんじゃん｣

言葉だけが帰ってきた。

｢怒ってる？｣

｢怒ってねぇよw｣

なんか同棲中のカップルみたいだな。
元彼の記憶がここで蘇る。

あいつも私の帰りが遅くなった時、
心配してたな。
今頃浮気相手とよろしくやってんだろうか。


でも、アイツの浮気現場に行かなかったら、こうしてキヨにも出会えなかった。

キヨは私の事大切にしてくれる。
一緒のベッドで寝てるのに手を出されないとか、ご飯を一緒に食べてくれたりとか。

同棲してわかった。
適当だったり、薄情だったり、サイコパスだったりするけど、すごく優しい。

｢.....好き、かも｣

｢あ？｣

思ったことが声に出てしまった。

やばいやばいやばい！
真顔だけど内心焦り散らかしている。
でも、気付いて欲しい気持ちも少しあるのだ。

｢ん？どうしたの｣

｢なんか言った？｣

｢いやぁ、別に｣

聞こえてなかったみたい。
誤魔化したけど、白々しくないかな。

恥ずかしさと焦りの中、

少しだけ残念な気持ちの私がいた。

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