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「え、うそ。え、!?..いつから、?」
先程の言葉は聞き間違いではなく、明らかに告白というもので。坂田は戸惑う私とは対照的に落ち着いた口調で
「言ったろ、..一目惚れしたって。結構前にな、...お前はわかんねェと思うが、俺はお前見かける度に目で追ってたよ。綺麗だ、と思って」
突然の告白、というか坂田が私にそう思ってたのが意外すぎて思考回路が一瞬止まる
「...でもまァ、俺はつきあってほしいだなんて言わねーよ。言ったところでお前の返事は俺の望むもんじゃねェ、...それに俺、今まで女にフラれたことねーから。今ここで返事出されんのはキツいわ、大学来れなくなる」
苦笑を交えながらそういう坂田。その顔はどこか寂しそうにも見えた
「だからよ、せめて好きだってことくらい伝えてもいいだろ。..悪いな、困らせんのわかってんのに気持ち伝える自分勝手な野郎でよ__」
そういった後、坂田は立ちあがり
「家まで送る、女一人で帰るのはさすがに危ねェしな。」
帰り道、坂田は先程の事などなかったかのようにして、いつものようにくだらない話を私にしながら歩く
...多分、それは坂田の気遣いだ。私に変に気を使わせないように、あえてその事からは離れたんだと思う
「じゃあな、葵。..」
家の前についてすぐ、坂田はそういって去っていった
玄関の扉を開けて、靴を脱ぎ部屋へと向かう。部屋につくと同時にベットへと倒れこむ
「(なんていうか...、)」
坂田の寂しげな表情が妙に脳裏に残っていて、
...でもそうさせているのは自分なんだと思うと、心の内側がなんだかモヤモヤした
「(私、どうすればいいんだろ..__)」
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なゆ(プロフ) - めっちゃ面白い!更新頑張ってください!! (2019年8月26日 12時) (レス) id: af64f6a838 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年8月10日 23時