20 ページ20
土方side
「へー..そうか、....」
俺は葵がこういう服を着ているのは見たことはない。それなのに坂田の前ではそういう格好をするのかと思うと、なんだか複雑な気持ちになる
長年の幼馴染みである俺が知らないアイツを坂田は知っている。...つきあいが長い分、それなりの愛着つーか執着つーか...まァ、そういうのはある
「あ、トシ、参考書あった!..待って、今取るから」
そういってアイツは自分の身長より高い位置にある参考書を背伸びをして取ろうとする
...改めて思うがコイツ、背低いな。といっても、女子でいえば標準なんだろうが...
「無理すんな、俺がとる。」
「いや大丈夫だから、多分これ取れる__」
こういう負けず嫌いな所も昔から変わらない。..俺はコイツをフツーのやつより知ってるはずなのに、なぜか坂田は俺よりコイツを理解しているような気がして、なんつーか...
..正直、妬けてしまう。
「あ、取れた_...っ、!?」
参考書に触れたと頃まではよかったが、背伸びしていたアイツはバランスを崩し___
「...ったく、何してんだよお前。」
「あはは...ごめん、トシ」
倒れそうなアイツを支えようとしたため、結果俺もバランスを崩し転倒。俺が下敷きになるようにしてその上にアイツが
「(柔らけェな、コイツ...)」
支える時に腰に回した手から伝わる感触だったり、体全体に触れるアイツの体を感じ今まであまり意識しなかったコイツが一人の女であることを実感する
そして間近で見るその顔は綺麗で、男女関わらず周りの連中が色々というのも分かる
ふと、坂田がコイツに『キスした』という発言がよぎり、苛立ちというかよくわからない感情が俺の中で渦巻く
「本当にごめんトシ、今避けるから__」
自分でも何を思ったか知らないが、そういって離れようとするアイツの腕をつかんでなにも言わず無言で葵を引き留めた
34人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なゆ(プロフ) - めっちゃ面白い!更新頑張ってください!! (2019年8月26日 12時) (レス) id: af64f6a838 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シオン | 作成日時:2019年8月10日 23時