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「十四郎さん、いってらっしゃい」
「おう、__」
あれから数日が経った。彼女はいつも通り、俺にそう声をかけ頬笑む
...あの日、女から彼女に『俺を殺せ』との命が下り、フツーであれば自分の命を狙ってる奴と一つ屋根の下だなんてごめんだ。
だか、彼女からはまるで殺気が感じられず。ひとまず彼女の様子を見ることにした
そしてまた数日が経ったある日、
彼女の家で攘夷志士との闇取り引きが行われる予定だとの情報が入りそこに明日、突撃するということになった
...そういえば女は言ってた、次の取り引きまでに俺を始末しろと。ということは、俺が殺られる可能性があるとすれば今日。
「十四郎さん、おかえりなさい」
帰らず屯所に泊まる、という選択肢もあったが俺は彼女が待つ家へと帰った。
彼女はその日も至っていつも通りで変わった素振りは何一つしていなかった。そしてそのまま朝を迎え、玄関先で頬笑む彼女
「十四郎さん、いってらっしゃ__」
「何で俺を殺さねェ」
ふと、今まで思っていたことが言葉に出た
「え...?」
「...お前、俺を殺れと母親に言われてただろ。それなのに何で未だに俺を生かしてる、なんでその隠し持ってる拳銃で俺を撃たねェ、?」
彼女は隠してるつもりだったろうが、彼女は拳銃を懐に所持していて。...いつでも俺を狙える状態にあったはずだ
「気づいてたんですか..十四郎さん、」
そういうと彼女は拳銃を懐から取りだし、それを床へと放り捨てた
「私は貴方を殺さないんじゃなくて、殺せないだけです」
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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時