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随分と長い間、立てこもられはしたが真選組によって攘夷志士たちは確保、人質は全員無事。
「土方さん、やりやしたねィ。俺達、お手柄ですぜ...って、あれ。土方さん?どこ行ったんでィ」
総悟が何か言ってたがそれを聴かず、俺は彼女との待ち合わせ場所へ急ぐ
もう夕方だった、..仕事中に集中しながらも俺の中では罪悪感がどんどん募っていき彼女に申し訳ないと思った
待ち合わせ場所につき、彼女を探す。いや..もうこんなにも待たせてるんだ、呆れて帰ったとしてもおかしくない..そう思ったが、
「あ、十四郎さん!..お仕事ですか?お疲れ様です、」
彼女は怒っている様子もなく、隊服のままの俺をみて仕事だと察したのかそういっていつものように微笑む
「十四郎さん、無理して来られなくても良かったんですよ?お仕事優先してくれて構わないので、...」
「..お前、なんで待ってた。とっくに待ち合わせ時間すぎてんだろ」
そういうと彼女はふふっと笑って
「いえ、待ってませんよ。今来たところです、...十四郎さんもお仕事で疲れたでしょうし、今日はもう帰りましょう。お出掛けはまたの機会にすればいいですから」
見え見えの嘘で『待っていない』そういう彼女。ふとこの前のチャイナ娘の言葉が浮かんだ。俺は、またコイツに無理させて..
俺は帰ろうとするアイツの腕をぐいっと引いて自分の方へと優しく抱き寄せた
「..悪かった、こんな待たせて」
それだけじゃない、..彼女に寂しい思いをさせてたこと。彼女は俺に尽くしているというのに、俺は全く彼女自身をみようとせず無関心であったこと。
「十四郎さん、..」
それともうひとつ、やはりこんな不甲斐ない俺とじゃ彼女はつりあわない。彼女を傷つけていくだけだ
俺は、
「.....本当に、ごめんな」
彼女の気持ちに応えることはできない__
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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時